1型糖尿病患者の血糖コントロールを向上させる人工膵臓について、日常生活に模した臨床試験を行った英国の研究で、血糖コントロールの改善と夜間危険性の高い低血糖リスクが低減したことがわかった。
クローズドループ・システム(closed loop system)として知られる人工膵臓は、既存の糖尿病管理法であるインスリンポンプと持続的血糖モニターを合体させ、コンピュータ制御で血糖状態に応じたインスリン量を計算し、補充を行うもので、実現化を目指すプロジェクトがいくつか進行している。
英ケンブリッジ大学代謝科学研究所は今回、午後7時に自宅で夕食を取る設定と、午後8時半に飲酒を含む夜間外食をする設定の2タイプの生活シナリオを準備。日ごろインスリンポンプ療法を用いている1型糖尿病患者24例を半数ずつ2つのシナリオに割り付け、夜間の血糖状態を評価した。
自宅食は60グラムの炭水化物を含む中用量の食事とした。対象の半数には夜間人工膵臓を装着、残り半数はインスリンポンプを継続させ、数週間後に交替させた。夜間外食は100グラムの炭水化物を含む高用量の食事とし、予測しない低血糖を起こしうるアルコール(白ワイン)を一緒に摂取させた。食後、対象の半数には人工膵臓を装着し、残り半数はインスリンポンプを継続してもらった。いずれの設定も夜間に2度の血糖値測定を行った。
その結果、自宅食設定では人工膵臓によって血糖値が目標域に収まる全時間が15%(中央値)延長することが判明。外食設定でも血糖値が良好に保たれる時間が28%(同)延長していた。2つの設定を合わせると、血糖が良好に管理コントロールされる時間は22%(同)延長していた。夜間就寝中の低血糖は、人工膵臓装着者では真夜中以降の発現は確認されなかった。重篤な低血糖は4例発生したが、うち3例は装置装着前に補充されたインスリンに起因するものと考えられた。
自己免疫疾患である1型糖尿病では、血糖値をモニタリングしながら微妙なバランスを保つようインスリンを補充する必要があり、有効な人工膵臓は患者の人生を飛躍的に改善させることが期待される。
人工膵臓はまだ揺籃期ではあるが、今回の研究結果は良いニュース以上のものであり、クローズドループ・システムの進化といえるだろう。
2011年5月31日火曜日
2011年5月8日日曜日
2型糖尿病
インスリン抵抗性および2型糖尿病の発症には、免疫システム反応のゆがみが関与している可能性が新しい研究でわかった。カナダ、トロント総合病院では、肥満およびインスリン抵抗性患者が有し、非インスリン抵抗性の肥満者はもたない免疫システム抗体を同定。また、免疫システムを改変する薬剤が高脂肪食を与えられたマウスでの正常な血糖値維持に役立つことを発見した。
2型糖尿病では、身体がインスリンを効果的に利用できないため、膵臓はインスリン産生を増加させるが、結果的に必要な量のインスリン産生ができなくなる。原因はまだ明らかではないが、家族間でみられることから遺伝的要因があると考えられる。体重増加と強く関連しているが、過体重のすべての人が発症するわけではなく、研究者らは別の因子を探索している。
過剰な体重が炎症に関連し、これが免疫システム反応のゆがみの原因と考えられる。腹部脂肪が拡大するとスペースがなくなり、脂肪細胞がストレスを受けて炎症を生じ、ついには細胞が死に至り、マクロファージ(大食細胞)がこれを掃除する。免疫系システム細胞のT細胞やB細胞も、ストレスや細胞の死に反応する。B細胞は外部からの異物に対する抗体を作るものだが、肥満の場合、脂肪に対する抗体を作り、それが脂肪細胞を攻撃してインスリン抵抗性とし、脂肪酸の処理を妨げる。この脂肪細胞に対する猛攻が、2型糖尿病だけでなく、脂肪肝、高コレステロール、高血圧にも関連しているという。
今回の研究では、インスリン抵抗性でないマウスに高脂肪食(60%が脂肪)を与えた。6週間目、7週間目に、マウスに抗CD20抗体(非ホジキンリンパ腫治療薬リツキシマブ:B細胞表面のCD20 に結合し、B細胞を破壊する)を投与。投与マウスはインスリン抵抗性を発症せず、血糖値も正常だったが、対照群のマウスはインスリン抵抗性となった。
また、32人の肥満者(半数はインスリン抵抗性)から血液試料を採取。インスリン抵抗性者が有する抗体セットは、非インスリン抵抗性者の抗体と異なっていた。肥満で非インスリン抵抗性の人が有する保護的抗体をもとに、2型糖尿病ワクチンが開発できる可能性がある。ただし、用いられたマウスは雄で、被験者も男性であったことから、この知見が女性にも当てはまるかどうかは不明」としている。さらに、抗CD20抗体は免疫システムを低下させ、重大な副作用を生じる可能性がある点も指摘。他の治療薬があるので、この薬剤が2型糖尿病に用いられるかどうかは確信できない。しかし、免疫システムの構成成分が2型糖尿病発症に寄与しているならば、別のよりよい治療法につながるかもしれない。
2型糖尿病では、身体がインスリンを効果的に利用できないため、膵臓はインスリン産生を増加させるが、結果的に必要な量のインスリン産生ができなくなる。原因はまだ明らかではないが、家族間でみられることから遺伝的要因があると考えられる。体重増加と強く関連しているが、過体重のすべての人が発症するわけではなく、研究者らは別の因子を探索している。
過剰な体重が炎症に関連し、これが免疫システム反応のゆがみの原因と考えられる。腹部脂肪が拡大するとスペースがなくなり、脂肪細胞がストレスを受けて炎症を生じ、ついには細胞が死に至り、マクロファージ(大食細胞)がこれを掃除する。免疫系システム細胞のT細胞やB細胞も、ストレスや細胞の死に反応する。B細胞は外部からの異物に対する抗体を作るものだが、肥満の場合、脂肪に対する抗体を作り、それが脂肪細胞を攻撃してインスリン抵抗性とし、脂肪酸の処理を妨げる。この脂肪細胞に対する猛攻が、2型糖尿病だけでなく、脂肪肝、高コレステロール、高血圧にも関連しているという。
今回の研究では、インスリン抵抗性でないマウスに高脂肪食(60%が脂肪)を与えた。6週間目、7週間目に、マウスに抗CD20抗体(非ホジキンリンパ腫治療薬リツキシマブ:B細胞表面のCD20 に結合し、B細胞を破壊する)を投与。投与マウスはインスリン抵抗性を発症せず、血糖値も正常だったが、対照群のマウスはインスリン抵抗性となった。
また、32人の肥満者(半数はインスリン抵抗性)から血液試料を採取。インスリン抵抗性者が有する抗体セットは、非インスリン抵抗性者の抗体と異なっていた。肥満で非インスリン抵抗性の人が有する保護的抗体をもとに、2型糖尿病ワクチンが開発できる可能性がある。ただし、用いられたマウスは雄で、被験者も男性であったことから、この知見が女性にも当てはまるかどうかは不明」としている。さらに、抗CD20抗体は免疫システムを低下させ、重大な副作用を生じる可能性がある点も指摘。他の治療薬があるので、この薬剤が2型糖尿病に用いられるかどうかは確信できない。しかし、免疫システムの構成成分が2型糖尿病発症に寄与しているならば、別のよりよい治療法につながるかもしれない。
2011年3月1日火曜日
コレステロール値
コレステロール値のモニタリングは、内服薬の完全な飲み忘れの検出にある程度は有効だが、時折飲み忘れる程度の検出能は劣ることが、オーストラリアとニュージーランドの試験でわかった。ガイドラインでは、コレステロール値をモニターすることで飲み忘れを評価するよう勧告しているが、コレステロール値モニタリングによる飲み忘れの検出能は不明で、補助データとしてのみ考慮すべきなようだ。
2011年2月27日日曜日
糖尿病入院
米ミシガン大学の調査によると、若年成人、特に若年女性で糖尿病による入院患者数が急増しているようだ。
米国では推定2,400万人が糖尿病に罹患している。完治は望めないが、糖尿病患者は投薬、健康的な食事と身体活動によって疾患を管理することができる。
調査では今回、糖尿病による入院の過去14年の傾向を把握するため、1993~2006年の全米入院患者データベースを使用、そのうち糖尿病と診断された退院患者データを検討した。
その結果、全年齢層で糖尿病による入院は65%増加。さらに、30歳代の若年成人の入院数は1993~2006年に2倍超となった。
研究によると、この入院の傾向は過去30年間の米国全土における肥満率の急増を反映しているようだ。
また今回の研究では、20歳代と30歳代のデータについて調べた結果、妊娠による入院を除外した後でも、男性と比べ女性では糖尿病による入院リスクが1.3倍高いことが分かった。この原因として(1)若年者では、男性よりも女性で肥満率が高い(2)男性よりも女性の方が糖尿病の症状が重い傾向にある—点を挙げ、このような状況は、若年女性で糖尿病の予防治療を受ける機会が少ないことの表れだとしている。
過去の研究では、糖尿病女性は予防的ケアの利用が少なく、積極的な内科的治療をあまり受けていないため、入院後の心血管障害による転帰が悪化することがわかっている。
今後、糖尿病患者の増加を防ぐためには、若年成人、その中でも特に女性をターゲットにした糖尿病予防策が必要である。また、糖尿病に罹患した若年成人の健康全般を改善するための医療介入が求められる。
米国では推定2,400万人が糖尿病に罹患している。完治は望めないが、糖尿病患者は投薬、健康的な食事と身体活動によって疾患を管理することができる。
調査では今回、糖尿病による入院の過去14年の傾向を把握するため、1993~2006年の全米入院患者データベースを使用、そのうち糖尿病と診断された退院患者データを検討した。
その結果、全年齢層で糖尿病による入院は65%増加。さらに、30歳代の若年成人の入院数は1993~2006年に2倍超となった。
研究によると、この入院の傾向は過去30年間の米国全土における肥満率の急増を反映しているようだ。
また今回の研究では、20歳代と30歳代のデータについて調べた結果、妊娠による入院を除外した後でも、男性と比べ女性では糖尿病による入院リスクが1.3倍高いことが分かった。この原因として(1)若年者では、男性よりも女性で肥満率が高い(2)男性よりも女性の方が糖尿病の症状が重い傾向にある—点を挙げ、このような状況は、若年女性で糖尿病の予防治療を受ける機会が少ないことの表れだとしている。
過去の研究では、糖尿病女性は予防的ケアの利用が少なく、積極的な内科的治療をあまり受けていないため、入院後の心血管障害による転帰が悪化することがわかっている。
今後、糖尿病患者の増加を防ぐためには、若年成人、その中でも特に女性をターゲットにした糖尿病予防策が必要である。また、糖尿病に罹患した若年成人の健康全般を改善するための医療介入が求められる。
2011年2月24日木曜日
妊婦の体重増加と肥満児
ボストン小児病院(ボストン)とコロンビア大学(ニューヨーク)の研究で、妊娠中の母親の体重増加と生まれてくる児の出生時体重は相関し、大幅な体重増加が認められた妊婦では、4,000gを超える児を出産する確率が高いということがわかった。これまでの研究から出生時体重が成人後の体重に影響を及ぼすことがわかっているため、妊婦に対して肥満予防策を講じることは出生児にも有益となると考えられる。
これまでの研究から、妊娠中に体重が増加し過ぎた母親から生まれてくる児の出生時体重が増加し、その子が将来、肥満になるリスクも高まることがわかっている。しかし、遺伝などの共通因子もこれらに関与している可能性は否定できなかった。今回の研究では、遺伝的要因を除外するため、同一の母親による複数回の単胎妊娠が検討された。
研究では、米国の州別出生登録データから、1989年1月1日~12月31日におけるミシガン州とニュージャージー州の出生記録が用いられた。データを抽出するに当たって(1)妊娠週齢が37週以前あるいは41週以降(2)母親が糖尿病を有する(3)出生時体重が500g未満か7,000gを超える(4)妊娠中の体重増加に関するデータが残っていない―場合は除外した。最終的に分析対象となったのは,母親51万3,501人と出生児116万4,750人であった。
分析の結果、妊娠中の体重増加と出生時体重には一貫した相関性が見られ、母体の体重が1kg増えるごとに子供の出生時体重は7.35g増えた。
また、妊娠中に体重が8~10kg増えた母親から生まれた児と比べ、24kg超増えた母親から生まれた児は約150g重かった。さらに、24kg超増加した母親では4,000g以上の児を出産する確率が2倍超高かった。
このような関連の機序について、妊娠中に体重が増加することによって、インスリン抵抗性や胎盤への栄養伝達をつかさどるホルモンなどによる影響が考えられた。
出生時体重は将来のBMIリスクの予測因子でもあることから、妊娠中の過剰な体重増加は、長期的に児の肥満関連疾患発症リスクを高める可能性がある。出生時体重が高過ぎると将来、喘息、アトピー性疾患、がんなどの疾患を発症するリスクも高まる。
妊娠中の体重増加が胎児の成長や出生児の代謝系に及ぼす影響について理解を深めることは重要なようだ。一方で、生殖年齢に当たる女性が、妊娠中だけでなく妊娠前においても適正体重を維持するには、どのような支援策が有効かを緊急に検討しなければならないだろう。現在、妊娠前の女性に対する健康対策が注目されていることから、女性が適正体重で妊娠することに焦点を合わせた介入法を考える上では絶好の機会といえる。さらに、生涯にわたる体重軌跡を是正し、世代にまたがる過体重の悪循環を断ち切るためには、より効果的な集団ベースの戦略が必要であろう。
これまでの研究から、妊娠中に体重が増加し過ぎた母親から生まれてくる児の出生時体重が増加し、その子が将来、肥満になるリスクも高まることがわかっている。しかし、遺伝などの共通因子もこれらに関与している可能性は否定できなかった。今回の研究では、遺伝的要因を除外するため、同一の母親による複数回の単胎妊娠が検討された。
研究では、米国の州別出生登録データから、1989年1月1日~12月31日におけるミシガン州とニュージャージー州の出生記録が用いられた。データを抽出するに当たって(1)妊娠週齢が37週以前あるいは41週以降(2)母親が糖尿病を有する(3)出生時体重が500g未満か7,000gを超える(4)妊娠中の体重増加に関するデータが残っていない―場合は除外した。最終的に分析対象となったのは,母親51万3,501人と出生児116万4,750人であった。
分析の結果、妊娠中の体重増加と出生時体重には一貫した相関性が見られ、母体の体重が1kg増えるごとに子供の出生時体重は7.35g増えた。
また、妊娠中に体重が8~10kg増えた母親から生まれた児と比べ、24kg超増えた母親から生まれた児は約150g重かった。さらに、24kg超増加した母親では4,000g以上の児を出産する確率が2倍超高かった。
このような関連の機序について、妊娠中に体重が増加することによって、インスリン抵抗性や胎盤への栄養伝達をつかさどるホルモンなどによる影響が考えられた。
出生時体重は将来のBMIリスクの予測因子でもあることから、妊娠中の過剰な体重増加は、長期的に児の肥満関連疾患発症リスクを高める可能性がある。出生時体重が高過ぎると将来、喘息、アトピー性疾患、がんなどの疾患を発症するリスクも高まる。
妊娠中の体重増加が胎児の成長や出生児の代謝系に及ぼす影響について理解を深めることは重要なようだ。一方で、生殖年齢に当たる女性が、妊娠中だけでなく妊娠前においても適正体重を維持するには、どのような支援策が有効かを緊急に検討しなければならないだろう。現在、妊娠前の女性に対する健康対策が注目されていることから、女性が適正体重で妊娠することに焦点を合わせた介入法を考える上では絶好の機会といえる。さらに、生涯にわたる体重軌跡を是正し、世代にまたがる過体重の悪循環を断ち切るためには、より効果的な集団ベースの戦略が必要であろう。
2011年2月21日月曜日
2011年2月20日日曜日
痛風
働き盛りの男性に多い痛風に悩む人が増えているようだ。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、07年の国内の患者数は約85万人で、98年(約59万人)の約1・4倍。食生活の変化やストレスの増加などにより、以前に比べ若い人も発症しやすくなったことが原因とされる。
痛風は、急に足の親指の付け根などが赤く腫れて激痛が走る生活習慣病。痛みで動けないこともある。原因はプリン体の老廃物である尿酸が血液中に過剰に増え、関節にたまって結晶化すること。体が結晶を異物と見なして排除しようとするため、激痛を伴う発作が起こる。足の甲やかかと、くるぶし、アキレスけん、ひざなどが痛む場合もある。
発作は片足の親指に表れる場合が多い。むずむずするような違和感が寝る前から始まり、朝には激痛になっているなど、1日以内に痛みがピークに達する。
痛風は欧州などでは紀元前から報告があり、フランスのルイ14世やレオナルド・ダビンチら多くの著名人もかかったとされる。日本では明治時代まではほとんど知られておらず、食生活の欧米化が進んだ1960年代以降に患者が増えたという。
患者の98~99%は男性。女性ホルモンに尿酸の排せつを促す働きがあり、血液中の尿酸濃度(血清尿酸値)は男性の方が高いため。特に、よく食べよく酒を飲む30~60代の肥満男性が痛風になりやすい。メタボリックシンドロームの人はリスクが高く、足に原因不明の痛みが出たら痛風を疑い、内科や整形外科を受診した方がいい。
痛風は、急に足の親指の付け根などが赤く腫れて激痛が走る生活習慣病。痛みで動けないこともある。原因はプリン体の老廃物である尿酸が血液中に過剰に増え、関節にたまって結晶化すること。体が結晶を異物と見なして排除しようとするため、激痛を伴う発作が起こる。足の甲やかかと、くるぶし、アキレスけん、ひざなどが痛む場合もある。
発作は片足の親指に表れる場合が多い。むずむずするような違和感が寝る前から始まり、朝には激痛になっているなど、1日以内に痛みがピークに達する。
痛風は欧州などでは紀元前から報告があり、フランスのルイ14世やレオナルド・ダビンチら多くの著名人もかかったとされる。日本では明治時代まではほとんど知られておらず、食生活の欧米化が進んだ1960年代以降に患者が増えたという。
患者の98~99%は男性。女性ホルモンに尿酸の排せつを促す働きがあり、血液中の尿酸濃度(血清尿酸値)は男性の方が高いため。特に、よく食べよく酒を飲む30~60代の肥満男性が痛風になりやすい。メタボリックシンドロームの人はリスクが高く、足に原因不明の痛みが出たら痛風を疑い、内科や整形外科を受診した方がいい。
2011年2月4日金曜日
身体活動と体重
18~30歳の青年期から20年間にわたり身体活動を活発に維持した人は、体重・ウエスト周囲の増加が、そうでない人に比べ有意に抑制されていることが明らかになった。この傾向は特に、女性で顕著だったという。米国ノースウェスタン大学Feinberg校予防医学部門の研究チームが、約3,500人について20年間追跡した結果からわかった。
研究では、1985~86年に18~30歳であった3,554人について調査を開始し、その後2年、5年、7年、10年、15年と20年まで追跡した。身体活動レベルについては、調査時点の前年の活動について調べスコア化し、体重増とウエスト周囲増との関連について分析した。
その結果、身体活動レベルが高い三分位範囲の男性は、低い三分位範囲の男性に比べ、体重増加量は2.6kg少なかった。女性については、活動レベルが高い三分位範囲の体重増加量は、低い三分位範囲に比べ6.1kgも少なかった。
また、ウエスト周囲についても、男性では活動レベルが高い三分位範囲の人は、低い三分位範囲の人に比べ、増加量が3.1cm少なかった。女性についても、活動レベルが高い三分位範囲の人は、低い三分位範囲の人に比べ、ウエスト周囲増加量が3.8cm少なかった。
研究では、1985~86年に18~30歳であった3,554人について調査を開始し、その後2年、5年、7年、10年、15年と20年まで追跡した。身体活動レベルについては、調査時点の前年の活動について調べスコア化し、体重増とウエスト周囲増との関連について分析した。
その結果、身体活動レベルが高い三分位範囲の男性は、低い三分位範囲の男性に比べ、体重増加量は2.6kg少なかった。女性については、活動レベルが高い三分位範囲の体重増加量は、低い三分位範囲に比べ6.1kgも少なかった。
また、ウエスト周囲についても、男性では活動レベルが高い三分位範囲の人は、低い三分位範囲の人に比べ、増加量が3.1cm少なかった。女性についても、活動レベルが高い三分位範囲の人は、低い三分位範囲の人に比べ、ウエスト周囲増加量が3.8cm少なかった。
2011年1月31日月曜日
都市構造とBMI
ニューヨーク大学バッファロー校都市・地域計画学の研究で、自宅がコンビニエンスストアよりもスーパーマーケットに近い女性ではBMIが低く、家から徒歩5分圏内にレストランが多い女性ほどBMIが高くなることがわかった。
2006年の米国の報告によると、成人の3分の1超が肥満で、その割合は男性より女性でわずかに高かった。
肥満はさまざまな疾患につながることから、公衆衛生上大きな問題となっている。また、肥満に影響する環境因子への注目は高まりつつある。
そこで今回、食品環境や都市構造が女性のBMIに影響を及ぼすか否かを調べるため、特定の地区に居住している女性(172例)を対象に研究が行われた。
その結果、以下の3つのことがわかった。
(1)自宅から徒歩5分圏内にレストランが多いほどBMIが高い
(2)コンビニエンスストアと比較して、自宅の近くにスーパーマーケットや食料品店がある女性では、BMIは平均的に低い
(3)居住地域での食品環境と都市構造の相互作用が肥満を招いている。例えば、住宅、商業施設、産業施設、オフィスなど多様な形態の建物を同一地域に配置することは身体活動を促すとされているが、その地域にレストランが多い場合は逆にBMIの増加につながる。つまり、本来なら歩くのに適しているはずの地域に住んでいる女性でBMIが高いという矛盾した結果が示された
研究の結果から、今後、都市構造と健康に関して研究を行う際には、食品環境が女性の健康に及ぼす影響を加味しなければならない。また、戦略計画によって、食品環境がどのように改善されるかがわかった。
さらにこの研究で、都市構造を見直し、地域の食品環境を整えることで健康的な食習慣を促す計画・戦略も見いだすことができた。
2006年の米国の報告によると、成人の3分の1超が肥満で、その割合は男性より女性でわずかに高かった。
肥満はさまざまな疾患につながることから、公衆衛生上大きな問題となっている。また、肥満に影響する環境因子への注目は高まりつつある。
そこで今回、食品環境や都市構造が女性のBMIに影響を及ぼすか否かを調べるため、特定の地区に居住している女性(172例)を対象に研究が行われた。
その結果、以下の3つのことがわかった。
(1)自宅から徒歩5分圏内にレストランが多いほどBMIが高い
(2)コンビニエンスストアと比較して、自宅の近くにスーパーマーケットや食料品店がある女性では、BMIは平均的に低い
(3)居住地域での食品環境と都市構造の相互作用が肥満を招いている。例えば、住宅、商業施設、産業施設、オフィスなど多様な形態の建物を同一地域に配置することは身体活動を促すとされているが、その地域にレストランが多い場合は逆にBMIの増加につながる。つまり、本来なら歩くのに適しているはずの地域に住んでいる女性でBMIが高いという矛盾した結果が示された
研究の結果から、今後、都市構造と健康に関して研究を行う際には、食品環境が女性の健康に及ぼす影響を加味しなければならない。また、戦略計画によって、食品環境がどのように改善されるかがわかった。
さらにこの研究で、都市構造を見直し、地域の食品環境を整えることで健康的な食習慣を促す計画・戦略も見いだすことができた。
2010年10月2日土曜日
減量薬のリスク
欧米で広く使用されている減量薬メリディア(日本では2009年承認申請却下)と、致死的でない心臓発作および脳卒中リスクとの関連が新しい研究で示された。ただし、同薬の使用により死亡率が増大することはないようだ。
リスクが高いのは心疾患または脳卒中の既往のある人、つまり初めから同薬を使用すべきでない人である。2010年1月以降、同薬には心疾患のある人は使用しないようにという警告が表示されている。
今回の研究では、2型糖尿病または心疾患のある過体重または肥満の高齢成人約1万1,000人を、メリディア群またはプラセボ(偽薬)群に無作為に割り付け、約3.4年間追跡。Meメリディア群では11.4%に心臓発作、脳卒中または心臓障害による死亡がみられたのに対して、対照群では10%とリスクは16%増加していた。また、メリディア群では非致死的心臓発作および脳卒中のリスクがそれぞれ28%、36%高いこともわかった。
減量するのは、肥満による心臓発作や脳卒中のリスクを下げるのが目的。減量薬によってそのリスクが高まるのであれば本末転倒である。従来の食事や運動による減量が有用であり、薬剤の必要性は疑問視される。
リスクが高いのは心疾患または脳卒中の既往のある人、つまり初めから同薬を使用すべきでない人である。2010年1月以降、同薬には心疾患のある人は使用しないようにという警告が表示されている。
今回の研究では、2型糖尿病または心疾患のある過体重または肥満の高齢成人約1万1,000人を、メリディア群またはプラセボ(偽薬)群に無作為に割り付け、約3.4年間追跡。Meメリディア群では11.4%に心臓発作、脳卒中または心臓障害による死亡がみられたのに対して、対照群では10%とリスクは16%増加していた。また、メリディア群では非致死的心臓発作および脳卒中のリスクがそれぞれ28%、36%高いこともわかった。
減量するのは、肥満による心臓発作や脳卒中のリスクを下げるのが目的。減量薬によってそのリスクが高まるのであれば本末転倒である。従来の食事や運動による減量が有用であり、薬剤の必要性は疑問視される。
2010年6月9日水曜日
妊娠糖尿病
妊娠中、特に妊娠初期(1~12週まで)における過度の体重増加は、妊娠中期(13~24週まで)から後期(25週~出産まで)の妊娠糖尿病の発症リスクを上昇させることが、米カイザーパーマネンテ研究所の研究で明らかになった。研究では、1996年から1998年の3年間に出産した女性の記録から、妊娠糖尿病345例および非妊娠糖尿病800例のデータを検討した。出産時年齢や経産歴、妊娠前のボディ・マス・インデックス(BMI)、人種などの因子を調整した結果、妊娠中の体重増加が米国医学研究所推奨範囲を超えた妊婦では、増加が推奨範囲内あるいはそれ以下だった妊婦に比べて、妊娠糖尿病の発症リスクが50%上昇することが判明した。妊娠中の体重増加と妊娠糖尿病の関連は、過体重や非白人女性において最も強かったという。研究では、妊娠初期の体重増加は修正可能な危険因子であることも明らかになった。医療従事者は、患者が特に妊娠初期のうちに適切な妊娠体重について話しを行い、妊婦の体重増加を監視していく必要がある。妊娠糖尿病は米国で全妊娠の7%に合併するとされ、早産や帝王切開、産後の2型糖尿病発症の原因になるだけでなく、出生児の将来の糖尿病発症や肥満リスクも上昇させる。
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