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2012年3月10日土曜日

月経前症候群

女性は月経前に、嫌悪するものに対する感受性が高まることを京都大霊長類研究所のグループが突き止めた。
イライラや憂鬱など月経前に心や体に現れる不快症状は「月経前症候群」として知られる。しかし、その判断は本人への質問による主観的な気分の聞き取りにとどまっており、今回の様な客観的な実証は初めて。
チームは、29歳と30歳の健康な独身女性60人に花の白黒写真8枚とヘビの白黒写真1枚の計9枚が並んだタッチパネル式の画面から、できるだけ速くヘビを見つけてもらい、時間を計測。
すると、月経が始まる3~4日前は、これ以外の時期と比べ、約0・2秒速く見つけられた。
これまでに米国のグループが、排卵後に増える黄体ホルモンが不安や怒りの感情に関わる脳の部位を活性化させることをマウスで解明。今回、ヘビを嫌う感受性が鋭くなったことから、ヒトでも黄体ホルモンが月経前の症状に影響している可能性がある。

2011年5月6日金曜日

子宮頸がんワクチン

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)のワクチン接種について、3回の接種を標準スケジュールの初回接種0・2・6ヵ月ばかりでなく、0・3・9ヵ月や0・6・12ヵ月で行っても、効果は非劣性であることが、米国・ワシントン州シアトルで行われた無作為化非劣性試験で確認された。
研究グループは、2007年10月~2010年1月にかけて、ベトナム21ヵ所の学校に通う11~13歳の女生徒903人について、オープンラベルクラスター無作為化試験を行った。研究グループは被験者を無作為に、HPVワクチンを「標準接種(0・2・6ヵ月)」「0・3・9ヵ月」「0・6・12ヵ月」「0・12・24ヵ月」のスケジュールで接種する4群に割り付けた。
3回目接種後1ヵ月に血清抗HPVの幾何平均抗体価(GMT)を調べ、標準接種に対する非劣性試験を行った。各接種群GMT値の標準接種群GMT値に対する割合を調べ、95%信頼区間の下限値が0.5以上であれば非劣性が認められると定義した。
結果、標準接種群の3回接種後のGMT値は、HPV-16が5808.0、HPV-18が1729.9だった。それに対し、9ヵ月スケジュール群のGMT値はそれぞれ5368.5と1502.3、12ヵ月スケジュール群はそれぞれ5716.4と1581.5と、いずれも標準スケジュール群に対する非劣性が認められた。
一方で、24ヵ月スケジュール群については、3692.5と1335.7で、標準スケジュール群に対する非劣性は認められなかった。
このベトナムの青年期女児において、HPVワクチン投与は標準または選択スケジュールにおいても、免疫原性、忍容性ともに良好であった。標準接種法(0・2・6ヵ月)と比較して、2つのスケジュール法(0・3・9ヵ月、0・6・12ヵ月)は、抗体濃度について非劣性であった。

2010年9月20日月曜日

子宮頸がんワクチン

若い女性に増えている子宮頸がんの本格対策として、政府が、予防ワクチンの接種費用を、来年度から公費で助成する方針を打ち出した。
子宮頸がんは「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスの感染が原因で起きる。
HPVは主に性交渉を通じて感染するが、10歳代前半でHPVワクチンを接種すれば、6-7割の感染を防ぐことができる。
子宮頸がんを予防する効果は極めて大きいと期待され、世界で接種が拡大している。日本でも昨年10月、このワクチンの安全性と有効性が政府に承認された。
公費助成により、HPVワクチン接種が国内でも広く普及するだろう。厚生労働省は今後、助成額や対象年齢などを詰め、来年度予算案に盛り込むという。
現在、HPVワクチンは任意の接種。期間を置いて計3回繰り返す接種の費用約5万円は、原則全額を自己負担する。はしか、ポリオのワクチンのように、定期接種の対象にはなっていない。
厚労省の6月末の集計では国内114自治体が、負担軽減のため公費助成している。ただ、全自治体の1割足らずだ。助成額も半額以下という所が少なくない。医学関連学会、患者団体などから、国の助成を求める声が出ていた。
子宮頸がんは国内で年に約1万5000人が発症すると推計され約3500人が死亡している。特に近年は、20-30歳代に患者が急増している。
10代前半の特定の年齢全員に接種費用を助成すると、年に約200億円の予算がかかるとの試算もある。だが、ワクチン接種で多くの女性の命が救われることを考えると、多額ではない。
ただ、どんなワクチンにも、わずかながら副作用がある。HPVワクチンの重い副作用はほとんど報告されていないが、他のワクチンと同じく、副作用への迅速な対応と、補償制度の充実策も十分詰めておくことが欠かせない。
がん検診の重要性も忘れてはならない。ワクチン接種の主な対象となるのは、10代の女性にとどまる。しかもワクチンは、がんを100%防げるわけではない。
子宮頸がんの検診を受ける人はまだ2割程度という。多くの女性が定期的に検診を受け、異変があれば、早期に適切な措置を受けられるような体制が必要。
検診費用の公的助成も一部に限られる。これも国の助成の強化を検討すべきだろう。

2010年9月7日火曜日

子宮移植

東京大や慶応大などの研究チームが、サルの子宮をいったん体外に出した後、移植し、再び体内で働かせることに成功した。サルで実験を重ね、将来は先天的に子宮がない女性や、がんで子宮摘出した女性も出産できるよう人での子宮移植を目指すという。
研究チームは、今年1~2月、カニクイザル2匹を開腹して子宮を取りだし、約2時間後に元のサルにそれぞれ移植した。1匹は現在も元気で、移植後すでに2回、月経があり、子宮が機能していることが確認できた。もう1匹は移植の翌日、死んだ。
カニクイザルは体重3.5キロと小さいため、子宮周辺の細い血管を結合する手術が難しかったが、最近開発された髪の毛の50分の1~30分の1の細い手術針を使い、血管の結合に成功した。今後、子宮を移植したサルに体外受精させて胎児が育つか検討するほか、他のサルの子宮を移植できるかどうかなども調べるそうだ。
人の子宮移植は、サウジアラビアで2002年に例があるが、血管の結合部に血栓ができ移植した子宮が機能しなくなったという。
今回の研究で、初めて霊長類で成功したことで、人間への応用の可能性がでてきたと言える。