4月12日、交通事故による重症頭部外傷で関東甲信越地方の病院に入院していた10歳以上15歳未満の男子が法的に脳死と判定された。脳死判定と臓器提供を家族が承諾した。13日朝に臓器摘出手術が行われ、待機患者に移植された。
15歳未満を含め、本人の意思が不明でも拒否していない場合は家族の承諾で脳死での臓器提供ができるようにした改正臓器移植法が2010年7月に施行されて以降、15歳未満の脳死判定は初。書面や口頭で拒否の意思表示はなかったことを家族に確認したという。
移植ネットは家族のコメントを発表、「息子は将来は世の役に立つ仕事をしたいと言っていた。臓器提供があれば命をつなぐことができる人たちのために身体を役立てることが、彼の願いに沿うことだと考えた」などとしている。
2回の脳死判定は12日午前7時37分に終了し、死亡と宣告された。警察は午前8時49分から13分間、検視をした。
本人が18歳未満の場合、虐待を受けた疑いがないことを確かめる必要がある。移植ネットによると、今回は提供病院で委員会や対応マニュアルを作るなど態勢が整っていることや、院内の倫理委員会が臓器摘出を承認したことを確認した。
移植ネットによると、4月8日に主治医が家族に回復は困難との見通しを示した後、臓器提供の機会があることを知らせた。同日、脳死とされうる状態と判断した。
9日には両親らの希望を受け、臓器移植コーディネーターが家族に臓器提供に関し約2時間説明。11日に再度説明をした後、午前11時33分に家族から脳死判定と臓器摘出の承諾書を受け取った。
心臓は大阪大病院で10代の男性、両肺は東北大病院で50代の女性、肝臓は北海道大病院で20代の男性、膵臓と一方の腎臓は藤田保健衛生大病院で30代の女性、もう一方の腎臓は新潟大病院で40代の男性に移植された。小腸は医学的理由で断念された。
従来は意思表示カードなどの書面で提供意思を示した15歳以上でなければ脳死での臓器提供はできなかったが、09年7月、提供数増加を目的に提供条件を緩和した改正法が成立した。
2011年5月1日日曜日
2011年4月21日木曜日
小児の高脂血症
シカゴのウェストバージニア大学の研究で、焦げ付き防止加工された調理器具や防水加工された布地の製造過程で使用されるペルフルオロアルキル酸化合物が高濃度に血中から検出された小児では、総コレステロール(TC)値とLDLコレステロール(LDL-C)値が高い傾向にあることがわかった。
ヒトは飲用水、ほこり、食品パッケージ、母乳、臍帯血、大気、就業被ばくを介してペルフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)などペルフルオロアルキル酸から合成される化合物に曝露される。最近の全米調査でも、ほぼすべての血液標本からPFOAとPFOSが検出されている。
ペルフルオロアルキル酸は、耐熱焦げ付き防止調理器具や、布地・室内装飾品に通気性防水性を与えるフッ素重合体の製造過程で使用されている。
PFOAとPFOSはまた、食料製品パッケージ、布地やじゅうたんの工場処理、衣類に汚れを付きにくくする加工処理に使用されるコーティング成分が分解される際にも発生する。
動物実験ではペルフルオロアルキル酸に曝露されると、まず肝臓が影響を受けることが明らかにされており、コレステロール値が変動するなどヒトにも影響を及ぼす可能性が示唆されている。
今回の研究では、飲用水中にPFOAが混入していたオハイオ川中流域の小児1万2,476例(年齢0~17.9歳,平均11.1歳)の血液サンプルから,TC値,LDL-C値,HDLコレステロール(HDL-C)値,トリグリセライド値を測定された。
測定の結果、小児の平均PFOA濃度は69.2ng/mL、平均PFOS濃度は22.7ng/mLであった。12~19歳の参加者ではPFOA濃度が全国平均を上回っていた(29.3ng/mL対3.9ng/mL)が、PFOS濃度についてはそのような差は認められなかった(19.1ng/mL対19.3ng/mL)。
血中PFOA濃度とTC値やLDL-C値との間には正の相関が認められ、血中PFOS濃度とTC値、LDL-C値、HDL- C値との間にも相関が認められた。
血中PFOA濃度が最低5分位の小児と比べ、最高5分位の小児ではTC値が4.6mg/dL、LDL-C値が3.8mg/dL高かった。血中PFOS濃度でも同様に、最低5分位の小児と比べ、最高5分位の小児ではTC値が8.5mg/dL、LDL-C値が5.8mg/dL高かった。
今回観察された傾向は、特にPFOAの濃度が低い群で顕著に見られた。また、全体的には、PFOA濃度よりもPFOS濃度による影響の方が大きいことが推測された。
ペルフルオロアルキル酸全般にいえることかもしれないが、特にPFOAとPFOSについては、血中脂質値に影響を及ぼすと考えられ、全米平均の曝露レベルにおいてさえ、なんらかの影響が生じている可能性がある。
ヒトは飲用水、ほこり、食品パッケージ、母乳、臍帯血、大気、就業被ばくを介してペルフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)などペルフルオロアルキル酸から合成される化合物に曝露される。最近の全米調査でも、ほぼすべての血液標本からPFOAとPFOSが検出されている。
ペルフルオロアルキル酸は、耐熱焦げ付き防止調理器具や、布地・室内装飾品に通気性防水性を与えるフッ素重合体の製造過程で使用されている。
PFOAとPFOSはまた、食料製品パッケージ、布地やじゅうたんの工場処理、衣類に汚れを付きにくくする加工処理に使用されるコーティング成分が分解される際にも発生する。
動物実験ではペルフルオロアルキル酸に曝露されると、まず肝臓が影響を受けることが明らかにされており、コレステロール値が変動するなどヒトにも影響を及ぼす可能性が示唆されている。
今回の研究では、飲用水中にPFOAが混入していたオハイオ川中流域の小児1万2,476例(年齢0~17.9歳,平均11.1歳)の血液サンプルから,TC値,LDL-C値,HDLコレステロール(HDL-C)値,トリグリセライド値を測定された。
測定の結果、小児の平均PFOA濃度は69.2ng/mL、平均PFOS濃度は22.7ng/mLであった。12~19歳の参加者ではPFOA濃度が全国平均を上回っていた(29.3ng/mL対3.9ng/mL)が、PFOS濃度についてはそのような差は認められなかった(19.1ng/mL対19.3ng/mL)。
血中PFOA濃度とTC値やLDL-C値との間には正の相関が認められ、血中PFOS濃度とTC値、LDL-C値、HDL- C値との間にも相関が認められた。
血中PFOA濃度が最低5分位の小児と比べ、最高5分位の小児ではTC値が4.6mg/dL、LDL-C値が3.8mg/dL高かった。血中PFOS濃度でも同様に、最低5分位の小児と比べ、最高5分位の小児ではTC値が8.5mg/dL、LDL-C値が5.8mg/dL高かった。
今回観察された傾向は、特にPFOAの濃度が低い群で顕著に見られた。また、全体的には、PFOA濃度よりもPFOS濃度による影響の方が大きいことが推測された。
ペルフルオロアルキル酸全般にいえることかもしれないが、特にPFOAとPFOSについては、血中脂質値に影響を及ぼすと考えられ、全米平均の曝露レベルにおいてさえ、なんらかの影響が生じている可能性がある。
2011年4月18日月曜日
鉛・カドミウム曝露
米国立小児保健・ヒト発育研究所の研究で、小児期に鉛への曝露レベルが高い女児では思春期の発来が遅れ、この関連は曝露量が多いほど顕著に見られるということがわかった。これまでの先行研究では、重金属への曝露が正常なホルモン産生パターンを妨害し、場合によっては生殖機能の発達に悪影響を及ぼす可能性が示唆されている。今回の研究では、女児700人超(6~11歳)の血液サンプルと尿サンプルのデータを検証。血中の鉛やインヒビンBなどの生殖ホルモンと尿中のカドミウムの濃度を測定した。インヒビンBは女児において、思春期発来の前に徐々に増加することが知られている。今回の研究では、血清中のインヒビンBの濃度が35pg/mLを超える場合に“思春期発来”と定義した。研究の結果、すべての年齢群で、鉛の曝露レベルが低度の女児よりも高度の女児で、血清中のインヒビンBが35pg/mLを超える割合が低い傾向にあった。一方、尿中のカドミウム単独ではこのような有意な関連は認められなかったが、鉛だけが高濃度の場合や鉛とカドミウムがともに低濃度の場合と比べて、鉛とカドミウムの濃度がともに高い女児ではインヒビンBがより低いことが分かった。米疾病対策センター(CDC)によると、カドミウムは腎、肺、骨を障害し、がんリスクを上昇させる。この結果から、鉛が単独か、もしくはカドミウムと協働して、女児が初潮を迎えるに当たって必要となる卵巣でのホルモン産生を抑制するのかもしれないと推測される。さらに、鉛曝露に関連した思春期発来の遅延は、鉄欠乏の影響を受けることも分かった。今回の研究では、鉛の曝露レベルが中等度~高度の女児では鉄分が欠乏していると、インヒビンBの濃度が極端に低かった。つまり、たとえ鉛の曝露レベルが中等度であっても、鉄分が欠乏している女児では、曝露レベルが高度の女児よりもインヒビンBの濃度が低いこともあるという。鉛曝露リスクが高い女児に対して、鉄分不足のスクリーニング検査を行う必要があろう。鉛への曝露は、子供が成長し、思春期を迎えるに当たって懸念すべき重大な課題であることが示された。このことは、小児が有鉛ガソリンや塗料、産業性汚染物質に曝露されている諸外国や米国のいくつかの地域にとって憂慮すべき問題である。米環境保護局(EPA)によると、鉛の曝露源として最も多いのは、劣化しつつある鉛ベース塗料や鉛汚染粉じん、鉛汚染住宅土壌である。
2010年9月29日水曜日
たばこの誤嚥
子どもが、たばこを食べてしまったら。そんなとき、どうすればいいのか。まずは、落ち着こう。たばこ1本に、乳幼児の致死量に近いニコチンが含まれてはいるが、そのニコチンが、すぐに全部吸収される訳ではない。いくつか、医学的な理由がある。
1) ニコチンは吐き気を催す作用があるため、多くの場合、胃に入ったたばこは、割とすぐ吐き戻される
2) ニコチンは塩基性なので、酸が多い胃の中では葉からニコチンが溶け出しにくいなど。
つまり、たばこを食べてしまった場合でも、胃の中にとどまっている間はそれほど怖くない。胃から腸に移動してしまうと、ニコチンの吸収がとても速まる。腸の中は酸がないため、急速にニコチンの吸収が進むからだ。
食べてしまってから、30分ぐらいは様子を見て、具合が悪くなさそうならそのまま様子を観察し、4時間以上すぎても顔色が悪い、興奮している、息が苦しそうなどの症状がないなら、まず問題はない。念のため、翌日にでもかかりつけ医に相談するといいだろう。もちろん、異常な症状がでたら、すぐに病院へ行こう。
この、様子を見る間に、絶対にしてはいけないことがある。
「水や牛乳は飲ませない!」
吐かせようとして水などを飲ませると、たばこが比較的安全な胃から、危険な腸に押し流されてしまう。動物実験でも、たばこを食べた後に水を飲むと、血中のニコチン濃度が急上昇することが確かめられている。
さらにさらに危険なのは、水に溶けたニコチン。吸い殻をジュースの空き缶に入れる喫煙者がいるが、幼い子どものいる家庭では、決してしてはいけない。吸い殻に含まれるニコチンは、30分も水につけるとほぼ全量、溶け出る。水に溶けたニコチンは、葉を食べるよりずっと吸収が速い。
子どもがジュースと思いこんで、ニコチン汁を「ぐいっ」と飲み干してしまう。こんな事故はまれではない。ニコチン汁を誤って飲んでしまったら、すぐに救急車を。大量のニコチンは、呼吸を止めてしまう。適切な人工呼吸が、命を救う決め手となる。
1) ニコチンは吐き気を催す作用があるため、多くの場合、胃に入ったたばこは、割とすぐ吐き戻される
2) ニコチンは塩基性なので、酸が多い胃の中では葉からニコチンが溶け出しにくいなど。
つまり、たばこを食べてしまった場合でも、胃の中にとどまっている間はそれほど怖くない。胃から腸に移動してしまうと、ニコチンの吸収がとても速まる。腸の中は酸がないため、急速にニコチンの吸収が進むからだ。
食べてしまってから、30分ぐらいは様子を見て、具合が悪くなさそうならそのまま様子を観察し、4時間以上すぎても顔色が悪い、興奮している、息が苦しそうなどの症状がないなら、まず問題はない。念のため、翌日にでもかかりつけ医に相談するといいだろう。もちろん、異常な症状がでたら、すぐに病院へ行こう。
この、様子を見る間に、絶対にしてはいけないことがある。
「水や牛乳は飲ませない!」
吐かせようとして水などを飲ませると、たばこが比較的安全な胃から、危険な腸に押し流されてしまう。動物実験でも、たばこを食べた後に水を飲むと、血中のニコチン濃度が急上昇することが確かめられている。
さらにさらに危険なのは、水に溶けたニコチン。吸い殻をジュースの空き缶に入れる喫煙者がいるが、幼い子どものいる家庭では、決してしてはいけない。吸い殻に含まれるニコチンは、30分も水につけるとほぼ全量、溶け出る。水に溶けたニコチンは、葉を食べるよりずっと吸収が速い。
子どもがジュースと思いこんで、ニコチン汁を「ぐいっ」と飲み干してしまう。こんな事故はまれではない。ニコチン汁を誤って飲んでしまったら、すぐに救急車を。大量のニコチンは、呼吸を止めてしまう。適切な人工呼吸が、命を救う決め手となる。
登録:
投稿 (Atom)