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2011年6月27日月曜日

血液検査で消化器がん発見

金沢大発の医療ベンチャー企業「キュービクス」は、簡単な血液検査だけで消化器がんを発見できる世界初の検査キットの輸出を目指し、欧州人向けの性能試験のためドイツの医療企業に検査キットの提供を始めた。
同社は、約2年前に、消化器がんの有無を血中の遺伝子の変化で判別する新技術を使い、マイクロアレイと呼ばれる検査キットを製造。
この検査キットを使えば、2・5ccの血液を採取するだけで、3日で結果が分かるといい、胃がん、大腸がんなどの消化器がんを9割の精度で発見できるという。同社によると、これまでの性能試験は日本人だけに行われてきたため、人種が違っても同様の性能があるかどうかを調べようと、ドイツの企業と共同で試験に臨むことにした。
マイクロアレイは8人分を同時に検査でき、原価が1枚約40万円。人間ドックのオプションとして需要が期待できる。

2011年6月24日金曜日

豊胸手術

米食品医薬品局(FDA)はこのほど,生理食塩水やシリコンジェルを注入する豊胸手術と未分化大細胞リンパ腫(ALCL)との間に相関が認められると発表した。
ALCLは非常に珍しい種類のがんである。今回のレポートによると,FDAが過去の文献をレビューした結果,豊胸手術を受けた患者ではインプラント挿入部付近の瘢痕莢膜(scar capsule)におけるALCL発症リスクがごくわずかではあるが有意に上昇していた。FDAはこの結果を受け,医療従事者は豊胸手術を受けた女性でALCLの診断が確定した例を必ず報告するよう求めている。また,豊胸手術を受ける患者がこのような潜在的リスクについて十分に説明を受けられるよう,乳房インプラントメーカーと共同で,患者および医療従事者向けの製品添付文書を改訂する予定だ。
米国立がん研究所(NCI)によると,ALCLはリンパ節や皮膚をはじめ身体のさまざまな部位に発生し,米国では,1年間に女性の約50万人に1人がALCLと診断される。豊胸手術を受けていない女性を除き,乳房組織にALCLが見つかる例は,約1億人に3人と少ないことが分かっている。
今回の通告は,1997年1月~2010年5月に発表された文献のレビュー,海外の規制当局や研究者,乳房インプラントメーカーからの情報に基づいている。
文献のレビューでは,生理食塩水やシリコンジェルによる豊胸手術を受けた後にALCLを発症した34例が特定された。症例の大半は,豊胸手術部位が完全に治癒した後に疼痛,しこり,膨張,乳房の非対称を訴えて来院した際に発見されている。これらの症状は,インプラント挿入部周囲における漿液貯留(漿液腫),瘢痕化,莢膜形成,腫瘤などによるもので,漿液や瘢痕組織を調べた結果,ALCLと診断された。
豊胸手術後にALCLを発症した女性は全世界でおよそ60例いるが(FDA調べ),正確な数は分かっていない。すべての症例が文献に報告されているわけではないし,重複して掲載されているかもしれない。豊胸手術を受けた女性は全世界で推計500万~1,000万人とされている。
FDAは医療従事者に対して,以下の通り推奨している。
 (1)豊胸手術を受けた女性がALCLと診断された場合,Medwatch(FDAの安全情報と有害事象報告プログラム)に報告すること。報告はインターネットや電話で受け付けている
 (2)患者のインプラント挿入部周囲に遅発性の漿液貯留が認められた場合,ALCLの可能性を念頭に置くこと。採取した漿液の病理検査を行い,ALCLを除外する
 (3)豊胸手術を受けた女性に対するルーチンベースでの診察や経過観察を変更する必要はない。ALCLは非常にまれな疾患で,豊胸手術を受けた女性でも発症する確率はごくわずかである
さらに,豊胸手術を受ける女性に対しても以下を推奨している。
 (4)女性は挿入された乳房インプラントの観察を怠らないこと。また,変化に気付いたら主治医に連絡する
 (5)これから豊胸手術を受けようと考えている女性は,リスクと便益について医療従事者と話し合うこと

2011年6月16日木曜日

がんは人為的な現代病

マンチェスター大学生物医学エジプト学KNHセンターの研究で、がんは汚染や食事などの環境因子によって引き起こされる現代病で,ヒトによってつくり出された可能性が高いことがわかった。古代エジプト・ギリシャとそれ以前の時代の遺物と文献を調査した今回の研究では,エジプトミイラに対して初めてがんの組織学的診断が行われた。
数百体のエジプトミイラを調査した結果,1体からしかがんが見つからなかったこと,文献でもがんについての記述がほとんど見つからなかったことから,古代において,がんは極めてまれな疾患であったとの結論。また,がんの罹患率は産業革命以降,劇的に増加し,特に小児がんで顕著であったことから,がんの増加は単に寿命延長の影響ではないことが示唆されるとしている。
工業化社会において,がんは心血管疾患に次いで2番目に多い死因だが,古代では極めてまれであった。このことから,古代の自然環境にはがんの要因になるものは存在せず,がんは環境汚染や食事・ライフスタイルの変化が原因の人為的疾患と考えざるをえない。
古代社会に手術という治療選択肢はなかったため,古代のミイラには必ずがんの痕跡が残っている。ミイラに事実上腫瘍組織が見つからないということは,古代においてがんがまれな疾患だったことを意味している。そしてこの事実は,がんの要因が現代の工業化社会にしか存在しないことを証明している。
古代人は現代人より短命であったため,がんが発生しなかったのではないかとする説がある。この説は統計学的には正しいものの,古代エジプトや古代ギリシャの人々は,実際にはアテローム動脈硬化症,骨パジェット病,骨粗鬆症などを発症する年齢まで長生きしており,骨腫瘍などはむしろ,現代社会においても若年者で発症しやすい。
それ以外にも,腫瘍組織が適切に保存できないため古代のミイラから腫瘍が発見されないという可能性も考えられる。しかし,これに対しても,腫瘍組織の特徴はミイラ化しても保存されることを実験的研究により証明されている。実際,正常組織よりも良好に保存されることを示した。このような知見が得られ,そして世界中のすべての地域のミイラ数百体が調査されたにもかかわらず,がんが顕微鏡的に確認されたとする論文はこれまで2件しかない。またカイロ博物館と欧州の博物館に安置されているミイラでも放射線学的調査が行われたが,やはりがんの痕跡は発見されなかった。
広範な古代エジプトのデータと過去1,000年にも及ぶ膨大なデータは,現代社会に対して明確なメッセージを発信している。がんはヒトが生み出した疾患で,われわれが対処でき,そして対処すべき対象であろう。

2011年6月8日水曜日

末期がん患者のQOL

末期がん患者に対する化学療法では、医師はこれを継続することで良好な健康状態を維持しようとするのに対し、看護師は継続に疑念を示し、余命の有効活用を優先する傾向があることが、オランダ・アムステルダム大学の調査で明らかになった。がん治療の進歩により有効な治療法が増え、末期がん患者に対する化学療法薬投与の決定は繊細で複雑なプロセスとなっているが、最近の調査では末期がん患者への化学療法施行は増加し、「がん治療の積極傾向」と呼ばれる状況にある。医療従事者は患者の利益となる治療を提供する義務があるが、患者の自律性に重きが置かれる社会では患者利益は先験的に明らかなわけではなく、化学療法の利益と負担に関する医療従事者の考え方もほとんど知られていないという。
研究グループは、末期がん患者に対する化学療法施行時の医療従事者の経験およびその姿勢について、主に治療者としての考え方を引き出すことを目的に、面接に基づく質的調査を行った。
2010年6~10月に、オランダの大学病院および一般病院の腫瘍科に所属し、転移性がんの治療に当たる医師14人(平均年齢41歳、女性8人)および看護師13人(同:40歳、11人)に対し半構造的面接を行った。
医師と看護師は、不良な予後や治療選択肢について患者に十分な説明を試みたと述べた。また、化学療法の効果と有害事象を十分に考慮し、場合によっては治療を続けることが患者のQOLに寄与するか疑わしいこともあったと答えた。
医師、看護師ともに、患者の健康状態を良好に保つことが重要と考えていた。医師は化学療法を継続することで患者の健康を維持しようとし、患者がそれに従うことが多い傾向がみられた。これに対し、看護師は化学療法の継続に疑念を表明する傾向が強く、患者が残された時間を最大限に活用できるように配慮するほうがよいと考えていた。
治療上のジレンマや治療に対する患者の意向に直面した場合、医師は「では、もう1回だけ試してみませんか」などの妥協案を提示することを好んだ。化学療法施行中に、患者と死や臨終について語り合うことは、患者の希望を失わせる可能性があるとして、治療とは矛盾する行為と考えられていた。
末期がん患者に対し化学療法を継続する傾向は、患者と医師の「あきらめない」という態度の相互補強、および患者QOLに関する医師の広範な解釈の仕方で説明可能と考えられ、これは「治療を控えることで患者の希望を奪うのは危険」との考え方が元になっていると推察された。生命予後とQOLのバランスを取り戻すには、医師以外の医療従事者、とりわけ看護師の意見の導入が必要と考えられる。

2011年5月16日月曜日

大量飲酒と膵がん

米国がん協会(ACS)疫学研究で、大量飲酒者,特に蒸留酒を1日3杯以上飲む人では,非飲酒者と比べて膵がんで死亡するリスクが有意に高いことがわかった。
是正可能なライフスタイル因子である飲酒は,口腔,咽頭,喉頭,食道,肝臓,大腸,乳房などのがんと因果関係があることが知られている。膵臓との関連では,大量の飲酒が急性または慢性の膵炎を引き起こすことが知られているが,膵がんについては決定的な関連は示されていない。
そこで,今回の研究では,ACSが支援しているがん予防研究のデータ(30歳以上の米国人成人約100万人を対象)を用い,飲酒と膵がんの関連について検討した。
全参加者(男性45万3,770例,女性57万6,697例)のうち,男性の45.7%,女性の62.5%が非飲酒者だった。男性のみと男女混合の解析を行ったところ,非飲酒者と比べて飲酒量が1日3杯の群と4杯以上の群で膵がんによる死亡リスクが有意に高いことが分かった。女性のみの解析では,1日4杯以上の群で同リスクが有意に高かった。
また,アルコール飲料の種類別に見ると,母集団全体では,非飲酒者に比べてウイスキー,ブランデー,ジン,ラム酒などの蒸留酒を1日3杯以上飲む人で,膵がんによる死亡リスクが高いことが分かった。喫煙非経験者または喫煙経験のある非喫煙者に限って解析すると,蒸留酒を1日2杯以上飲む人で同リスクが高かった。しかしこれらの関連は,ビールとワインでは認められなかった。
喫煙非経験者(男女混合)の膵がんによる死亡リスクは,1日3杯以上の飲酒者で非飲酒者より36%高かった。喫煙経験のある非喫煙者では,喫煙歴などで調整後も同リスクは16%高かった。
今回の研究により,飲酒量,特に大量飲酒が,米国のがん死因で4番目に多い膵がんの独立した危険因子であるとするこれまでの仮説が強く裏付けられた。

2011年5月15日日曜日

がん患者増加

米国がん協会(ACS)は,肺がんや乳がん,大腸がんなどライフスタイルや経済発展に伴う行動様式の変化に関連するがんは,今後,広く予防策を講じなければ,発展途上国で増加の一途をたどるとの見通しを発表。全世界では,2030年までにがん患者,死亡者数が倍増すると予測している。
国際がん研究機関によると,2008年における全世界の新規がん患者数は1,270万人で,そのうち560万人は先進国,710万人が発展途上国で発生している。2008年のがん死亡者数は,全世界で760万人と推定され,内訳は先進国で280万人,発展途上国では480万人であった。世界のがん疾患負担は,2030年までにがん患者数2,140万人,がん死亡は1,320万人と,約2倍に膨らむと見込まれている。
患者数や死亡者数の増加は,人口増加や人口の高齢化など人口動態の変化によるものだけでなく,喫煙や不健康な食生活,運動不足など経済発展に伴うライフスタイルや行動様式の変化により,さらに悪化する可能性がある。
今回の報告では,先進国と発展途上国のがん罹患率の比較から,両者で発生しているがんの種類の違いが浮き彫りになっている。
先進国において,2008年に最も多く発生した上位3つのがんは,男性では前立腺がん,肺がん,大腸がん,女性では乳がん,大腸がん,肺がんだった。一方,発展途上国においては,男性では肺がん,胃がん,肝がん,女性では乳がん,子宮頸がん,肺がんだった。
発展途上国ではライフスタイルの変化によって,肺がんで死亡する患者が増加している。欧米のほとんどの国で男性の肺がん死亡率は低下しているが,中国やアジア,アフリカの一部の国では上昇しており,これらの国々では,早期からの喫煙習慣で喫煙率が上昇し続けている。
女性の肺がん率は,米国においては頭打ちとなっているが,多くの国で上昇しており,その傾向はスペインやフランス,ベルギー,オランダで顕著である。特に若年女性の罹患率が上昇していることから,これらの国々における女性の肺がんは,大規模な介入を実施しなければ,今後数十年にわたり増え続ける可能性が示唆された。
大腸がんの罹患率は米国では減少しているが,スペインや東南アジア諸国の多く,東欧諸国など歴史的にはリスクが低かった国々において,急激に上昇している。
今回の報告の中には,がんが大きな問題となっているアフリカについて,特別セクションが盛り込まれた。国際がん研究機関によると,アフリカにおける2008年のがん新規患者数は68万1,000人,がん死亡は51万2,400人だった。人口の高齢化や人口増加,さらに喫煙や不健康な食生活,運動不足など,経済発展や都市化に伴う行動やライフスタイルの変化により,2030年までに新規患者数は128万人,死亡は97万人に倍増すると見込まれている。
報告書は,アフリカでは資源不足やHIV/エイズ,マラリア,結核といった感染症など,差し迫った公衆衛生上の問題が山積していることから,がんの社会負担が増大しているにもかかわらず,がん対策の優先順位は低いと指摘している。
アフリカでは,がん検診制度などの医療サービスが欠如し,初期症状に対する市民や医療従事者の理解度が低いために,がんが進行した段階で診断されることが多い。
また,がん診断後の生存率も先進国に比べて低い。例えば,乳がんの5年生存率は,米国では90%であるのに対して,ガンビアやウガンダ,アルジェリアでは50%以下である。
喫煙は世界のがん死亡原因の20%を占め,最も予防効果の高い危険因子だが,アフリカのがん死のうち,喫煙によるものは6%にすぎない。喫煙の影響が少ないことは,アフリカではまだ喫煙がそれほど流行していないことや,女性の喫煙率が低いことを反映したものと考えられる。しかし,経済発展に伴うライフスタイルの変化や,たばこ産業によるアフリカを対象としたマーケティングの拡大などにより,多くのアフリカ諸国ではたばこ消費量が増加している。特に,10歳代の喫煙率の増加は重大な懸念材料である。
Global Youth Tobacco調査によると,アフリカの一部では,少年の喫煙率が成人の喫煙率より高い国もあるとされている。
アフリカの大半の国々は,たばこ規制枠組み条約を批准しているが,ガイドラインに沿って禁煙プログラムを実施している国はほとんどない。
2008年における760万人のがん死亡例のうちおよそ260万人,すなわち1日当たり7,300人の死亡は,喫煙や食生活,感染症や飲酒など,既知の危険因子を回避することで,予防可能であったという。
がん征圧に向けた知識を世界各国や地域の能力および経済の発展段階に応じた方法で応用することにより,次の20~30年間にがん死亡を減らすことができるかもしれない。そのためには,政府や公衆衛生機関,援助資金供給者,民間部門が,国や地域レベルでのがん征圧プログラムを世界規模で開発,導入する必要があろう。

2011年4月15日金曜日

高度受動喫煙と乳がん

喫煙女性だけでなく、高度の受動喫煙にさらされている女性も乳がんのリスクが高いということが、米ウエストバージニア大学の研究グループによってわかった。同グループは、50〜79歳の女性7万9,990例を対象に、閉経後女性の生涯にわたる能動喫煙および受動喫煙への曝露と浸潤性乳がんとの関係を検討した。平均10.3年間の追跡で3,520例に浸潤性乳がんが確認された。解析の結果、喫煙経験のない女性と比較した過去の喫煙者と現喫煙者の乳がんのリスクは伴に高かった。多い喫煙本数、長い喫煙期間、10歳代での喫煙開始が有意なリスク上昇と関係していた。最もリスクが高かったのは50年以上喫煙している女性で、喫煙による乳がんリスク上昇は、禁煙後20年まで続いた。また、高度(小児期に10年以上、成人期に自宅で20年以上、成人期に職場で10年以上)の受動喫煙への曝露によって乳がんのリスクは、受動喫煙への曝露がなかった女性と比較して高かった。しかし、受動喫煙への曝露が少ない女性では有意な関係はなく、累積曝露に対する明らかな用量反応は見られなかった。

2011年2月28日月曜日

乳がん手術

早期の乳がん患者の外科手術で、転移を防ぐために脇の下のリンパ節全体を切除する「郭清」をしても、リンパ節の一部しか切除しなかった場合と生存率に変わりはないとする米国の多施設臨床試験の結果が発表された。
「郭清」はがんの再発を防ぐために広く行われているが、むくみが出るリンパ浮腫などの合併症が起きやすいとされる。研究グループは「(郭清をやめる)新手法を取り入れることによって、術後の生活を改善できる」と指摘している。
研究には、100カ所以上の医療機関が参加。1999~2004年に、手術前に脇の下の「センチネルリンパ節」を検査して転移が見つかった早期がんの患者を対象に、リンパ節全体の郭清をした場合と、転移が見つかった一部だけを取り除いた場合の生存率を比較した。
転移を防ぐための抗がん剤や放射線治療なども続けた結果、5年後の生存率は全切除した445人は91・8%、一部切除の446人は92・5%と、ほぼ同じだった。
一方、リンパ浮腫などの合併症は全切除では70%で起きたが、一部切除では25%で、大きな差が出た。
乳がん細胞は早い段階で全身に広がることが分かっており、研究グループはリンパ節切除よりも、抗がん剤や放射線による全身的な治療が再発を防いでいるのではないかとみている。

2011年2月25日金曜日

がん死亡率減少(EU)

欧州連合(EU)加盟27カ国で今年中にがんで死亡するとみられる人数は10万人当たりの死者数でみると、男性が2007年の153・8人から142・8人、女性が90・7人から85・3人へそれぞれ減少する見通し。
調査によると、死亡率の低下は女性の場合は主として乳がん、男性は肺がんおよび結腸がんによる死亡率の減少が主因だという。ただ全体の死者数は、人口増加や高齢化の影響で2007年の125万6001人から2011年は128万1460人へ微増が予想されている。
調査はイタリアのミラノ大学研究グループが中心となって数学モデルを使って予測、来年も調査する予定。
報告によると、西欧における死亡率は中欧および東欧に比べて相対的に低く、調査グループは、この傾向は予測可能な将来も続く見通しだと述べた。がんの種類による死亡率をみると、肺がんの10万人当たり死亡率は2007年12・55人から2011年には13・12人に上昇する見通しで、特にポーランドと英国では女性のがん死亡原因の首位は乳がんから肺がんに代わった。

2011年2月1日火曜日

大腸内視鏡検査

50歳以上の大腸癌患者1688人と対照1932人のデータを用いて、大腸内視鏡検査とその後の大腸癌リスクの関連性を検討した研究がある。それによると、過去10年間に大腸内視鏡検査を受けていると、大腸癌リスクが77%低下するようだ。特に左側大腸癌リスクが、大腸内視鏡検査とポリープ切除によって大幅に低下することがわかった。50歳を過ぎたら大腸内視鏡検査を受けましょう。

2010年10月17日日曜日

HDLコレステロール(HDL-C)

タフツ大学(ボストン)分子心臓病学研究所の研究グループは、HDLコレステロール(HDL-C)値が高い人では心疾患リスクが2分の1~3分の1になるだけでなく、発がんのリスクも大幅に低くなるとの研究結果を発表した。
今回の研究は、総症例数が14万5,743例の大規模試験となり、追跡期間の中央値は5年で、発がんの報告件数は8,185例であった。
研究の結果、HDL-C値が10mg/dL高くなるごとに発がんリスクが36%低くなることがわかった。これはベースラインのLDLコレステロール(LDL-C)値や年齢、BMI、糖尿病、性、喫煙状況を含む他の危険因子とは独立したものであった。
HDL-C値を高める最良の方法は健康的なライフスタイルを選択すること、すなわち定期的に運動し、健康的な食事を取り、飲酒は適度に抑え、禁煙することである。心疾患リスクが高いとされる人には、HDL-C値を上昇させる薬剤がある。
この研究は、HDL-Cが喫煙、肥満、炎症など、心疾患とがんの双方に関与することが知られているすべてのライフスタイル・危険因子の重要なマーカーである可能性を示している。低いHDL-C値は、慢性疾患リスクのマーカーと考えられるため、そのような患者にライフスタイルの改善を強調する動機付けになるだろう。

2010年9月24日金曜日

喫煙と結腸直腸がん

コネティカット大学保健センター総合がんセンターの研究で、喫煙は結腸直腸の扁平腺腫(前がん性ポリープ)と強く関連しており、それが喫煙者における結腸直腸がんの早期発症につながっている可能性があることがわかった。一般に扁平腺腫は、結腸直腸がんの検診時に発見される典型的な隆起性のポリープよりも発見しにくく、病理学的に悪性度が高い。
結腸直腸ポリープは、結腸または直腸の内壁に形成される腫瘍である。大半の結腸直腸がんは、腺腫と呼ばれる結腸直腸の腫瘍性ポリープから移行すると推測されている。扁平な非隆起性の腺腫は、隆起性の腺腫よりも悪性度が高いと考えられる。このため結腸直腸ポリープの切除は結腸直腸がんの予防に重要で、推奨されている。複数の研究から、ポリープ切除は結腸直腸がん発症の減少につながることが示されている。
扁平病変の半数超は、高解像度結腸内視鏡で発見されるが、その危険因子はほとんど解明されていない。いくつかのスクリーニング研究から、喫煙は結腸直腸がんの重要な危険因子であることが示されている。今回の研究の目的は、結腸内視鏡によるスクリーニングを受けた平均的リスク集団において、喫煙が扁平腺腫の危険因子であるか否かを調べることであった。
結腸内視鏡検査は、ポリープががん化する前に発見し切除できるため、結腸直腸がんの主要なスクリーニング法として推奨されている。現在、驚くほど高解像度の新世代内視鏡が開発されている。高解像度化により結腸が鮮明に描出され、より多くの情報が得られる。つまり解像度が高ければ、内視鏡医が小ポリープ、早期がん、扁平病変を発見する精度が高まる。
今回の研究は、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校医療センターで、結腸内視鏡による結腸直腸がんスクリーニング検査を受けた患者を対象とした研究。
人口統計学的データ、既知の結腸直腸がんの危険因子、投薬情報、結腸直腸がんの家族歴と食事、運動、飲酒、糖尿病、胆嚢切除術の既往が記録された。
患者は、現在または過去の喫煙、1日当たりの本数、喫煙年数、禁煙年数、過去の喫煙パターンの変化について質問を受けた。これらの数値を用いて、喫煙曝露を算出。患者600例(平均年齢56歳,男性252例,女性348例)を、(1)非喫煙者群(313例)(2)多量喫煙者群(115例)(3)少量喫煙者群(172例)―に分類した。
全患者に結腸内視鏡検査が施行され、組1人の内視鏡医が、高解像度の広角結腸内視鏡を使用してすべての検査を行った。全ポリープが写真で記録され、組織学および形態学的分類(扁平または隆起性)のために採取された。サンプルからランダムに選ばれた腺腫について、2人の経験豊富な内視鏡医が形態の決定に当たった。
全部で428個のサンプル(非喫煙者群313個,多量喫煙者群115個)が分析され、127例の患者にさまざまなサイズの扁平腺腫が1個以上認められた。扁平腺腫と関連していたのは、(1)多量の喫煙(2)年齢(3)男性―であった。さらに進行扁平腺腫と関連していたのは、(1)多量の喫煙(2)BMI(3)男性(4)赤身肉の消費―であった。多変量解析を行ったところ、結腸直腸の進行性扁平腫瘍の形成を唯一予測したのは多量の喫煙であった。
この知見から、喫煙は結腸直腸の扁平腺腫の重要な危険因子であることが示唆された。喫煙はあらゆる扁平腺腫と関連しているだけでなく、直径6mm超の扁平腺腫のみを有する患者の危険因子でもあった。これらの患者には、隆起性の腺腫は存在しなかった。このことは、喫煙者では非喫煙者よりも若年で、しかも進行した結腸直腸がんが多く発見されることの理由を説明している。
このような腺腫を発見するには、特殊な高解像度結腸内視鏡が必要となるため、今回の知見は重要。大半の腺腫は結腸の右側に発見されたことから、喫煙者の場合には、色素内視鏡などの高度な撮像装置を用いて、右側に注意することが発見に役立つと見られる。色素内視鏡は内視鏡技術の1種で、内視鏡検査時に大腸内壁に特殊な色素液または染色液をスプレーし、色覚をより向上させたものである。
さらに、今回のデータは、医師が喫煙者に対して、そのリスクや結腸直腸がんスクリーニングについてカウンセリングを行ううえでも役立つだろう。

2010年9月23日木曜日

コーヒーでがん予防

ユタ大学の研究で、コーヒーの飲用が頭頸部がんの予防につながる可能性があることがわかった。
がんリスクに対するコーヒーの効果については、一貫したデータが得られていないが、今回、ユタ大学が集めた9件の研究結果を分析した結果、コーヒーを1日4杯以上飲む人(常飲者)は、コーヒーを飲まない人に比べ、口腔がんと咽頭がんリスクが39%低いことが明らかになった。
一般に、コーヒーを飲む人は多い。また、頭頸部がんは発生率が比較的高く生存率が低いため、今回の研究結果は公衆衛生上大きな意義を持つ。
昨年12月、ハーバード大学の研究では、コーヒーの消費と致死的な進行性前立腺がんリスクが逆相関することがわかった。コーヒー消費量が最も多い男性では全く飲まない男性と比べ、進行性前立腺がんリスクが60%低かった。
また、インペリアルカレッジの別の研究では、コーヒーと神経膠腫(脳腫瘍)リスクの低下が相関することがわかった。この研究報告では、1日に5杯以上のコーヒーまたは紅茶を飲む人でがんリスクが低下した。
今回の研究では、リスク低下は口腔がんや咽頭がんに関して示されたが喉頭がんでは示されていない。このことは、コーヒーの効果には特異性があることを示唆している。今後、頭頸部がんとコーヒーの関連についてさらに研究を重ねる必要があるだろう。