瞳の色や血液型と同じように、腸内に繁殖する細菌によってヒトを分類できることが新しい研究で判明した。研究グループによると、ヒトの腸内細菌叢(bacterial flora)には3つの型があり、存在する細菌種とその比率によって区別できるという。
研究によると、ヒトの腸には500~1,000種の細菌が生息しており、それぞれがミクロの生態系の中で互いに競合や協力しながら宿主である人体と共生的関係をもちバランスを保っている。微生物は単独ではなくコミュニティとして活動しており、宿主であるわれわれの食べるものなどにも適応しなくてはならない。
今回の研究では、ヨーロッパ諸国(デンマーク、フランス、イタリア、スペイン)居住の2人から便検体を採取し、DNAを抽出して細菌種を判定。さらに、日本人13人および米国人2人の過去のデータ、別のデンマーク人、米国人154人のデータを追加した。分析の結果、細菌叢を3つのカテゴリーに分類できることが判明。例えば、タイプ1はバクテロイデス(Bacteroides)属の比率が高く、タイプ2はバクテロイデス属が比較的少なくプレボテラ(Prevotella)属の比率が高かった。タイプ3ではルミノコッカス(Ruminococcus)属が多かった。さらに多くのデータを検討すればサブタイプ(亜型)が見つかる可能性もあるようだ。
腸内細菌叢がヒトの健康に重要な役割を果たすことが理解されはじめて以来、どれほどの細菌が存在するのかが課題となっていた。もし無限にあるのならば、その情報を利用するのは不可能である。今回の研究は、細菌叢のバリエーションが無限ではないことを明らかにする上で大きな飛躍にとなるものだ。研究グループによると、年齢、性別、体重などの特徴と腸内細菌叢の型に相関があるとの証拠は得られなかったが、検体をすべて検討すると年齢、性別、体重と細菌の特定の遺伝子マーカーとの間に相関がみられ、いずれはこのような情報から、疾患や疾患になりやすさを知る上で活用できる可能性があるという。
2011年6月1日水曜日
2011年5月5日木曜日
低用量アスピリン
低用量アスピリン療法は上部消化管出血リスクを、非投与群との比較で約2倍に増大すること、またそのリスクは、クロピドグレル、経口抗凝固薬、NSAIDs、経口ステロイド大量投与との併用でさらに上昇することが、スペイン薬剤疫学研究センターの研究により明らかにされた。心血管イベントの2次予防として現在、低用量アスピリン単独ならびにクロピドグレル併用療法は標準療法として行われている。しかし臨床試験により、各療法の上部消化管出血リスク増大との関連および併用によるさらなるリスク増大のエビデンスが示されていた。研究では、一般集団における同療法またその他胃粘膜に対し有害作用を有する薬剤の影響について評価を行った。
研究グループは、英国プライマリ・ケアを担う開業医により約300万人の患者データを抽出し、コホート内症例対照研究法にて解析を行った。
2000~2007年に上部消化管出血リスクと診断された40~84歳の患者2,049例をコホート群とし、対照群は年齢、性、暦年をマッチさせた20,000例で、上部消化管出血と低用量アスピリン(75~300mg/d)、クロピドグレル、その他併用薬との関連、相対リスク(RR)を評価した。
その結果、低用量アスピリン療法(75~300mg/日)は上部消化管出血リスクを約2倍に増加させることがわかった。
さらに、アスピリン単独群に比較して、クロピドグレル併用で2倍、抗凝固療法で2倍、非ステロイド系消炎鎮痛剤で2.5倍、ステロイドで4倍も増大することがわかった。
これまでに、一般集団における抗血小板薬の併用療法も含めた十分な消化管出血リスクの検討はなされていなかった。
上部消化管出血は一般集団の1000名あたり、年間0.5-1件発生すると推定されている。 したがって、アスピリン投与で年間1-2名、クロピドグレルや抗凝固療法の併用で2-4名発生することになる。
アスピリンを含めたNSAIDs潰瘍の治癒および予防については、プロトンポンプ阻害薬(PPI)が第一選択治療とされている。わが国では、昨年7月よりPPIランソプラゾール15mgが、「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」に対する適応が追加されている。
研究グループは、英国プライマリ・ケアを担う開業医により約300万人の患者データを抽出し、コホート内症例対照研究法にて解析を行った。
2000~2007年に上部消化管出血リスクと診断された40~84歳の患者2,049例をコホート群とし、対照群は年齢、性、暦年をマッチさせた20,000例で、上部消化管出血と低用量アスピリン(75~300mg/d)、クロピドグレル、その他併用薬との関連、相対リスク(RR)を評価した。
その結果、低用量アスピリン療法(75~300mg/日)は上部消化管出血リスクを約2倍に増加させることがわかった。
さらに、アスピリン単独群に比較して、クロピドグレル併用で2倍、抗凝固療法で2倍、非ステロイド系消炎鎮痛剤で2.5倍、ステロイドで4倍も増大することがわかった。
これまでに、一般集団における抗血小板薬の併用療法も含めた十分な消化管出血リスクの検討はなされていなかった。
上部消化管出血は一般集団の1000名あたり、年間0.5-1件発生すると推定されている。 したがって、アスピリン投与で年間1-2名、クロピドグレルや抗凝固療法の併用で2-4名発生することになる。
アスピリンを含めたNSAIDs潰瘍の治癒および予防については、プロトンポンプ阻害薬(PPI)が第一選択治療とされている。わが国では、昨年7月よりPPIランソプラゾール15mgが、「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」に対する適応が追加されている。
2010年9月6日月曜日
友好的なウイルス
人は、腸管下部にその人独自の友好的なウイルス(friendly viruses)と呼べる集合体を有することが、新しい研究によって示された。
米ワシントン大学医学部ゲノム科学・システム生物学センターは、女性の一卵性双生児とその母親を対象とした研究で、一卵性双生児であっても腸管下部にそれぞれ異なるウイルスの“指紋fingerprint”があることを発見した。また、ウイルスの80%以上はこれまで発見されていなかった新しいものであった。
研究によれば、これらの友好的なウイルスは、自身では消化できない特定の食事の成分の消化を助けるなど多くの便益をもたらす腸内細菌の活動に影響を及ぼすと考えられた。さらに、ウイルスは疾患に立ち向かったり、治療後の回復に関与しており、消化管内の微生物叢の全体的な健康の指標として機能する可能性もあるという。
米ワシントン大学医学部ゲノム科学・システム生物学センターは、女性の一卵性双生児とその母親を対象とした研究で、一卵性双生児であっても腸管下部にそれぞれ異なるウイルスの“指紋fingerprint”があることを発見した。また、ウイルスの80%以上はこれまで発見されていなかった新しいものであった。
研究によれば、これらの友好的なウイルスは、自身では消化できない特定の食事の成分の消化を助けるなど多くの便益をもたらす腸内細菌の活動に影響を及ぼすと考えられた。さらに、ウイルスは疾患に立ち向かったり、治療後の回復に関与しており、消化管内の微生物叢の全体的な健康の指標として機能する可能性もあるという。
2010年7月26日月曜日
酒かす
かす汁など冬の家庭料理で親しまれている酒かすに含まれる成分が、肝臓を保護する効果があるということが、月桂冠総合研究所の実験で明らかになった。強い酸化力をもつ「活性酸素」が体内で増えると、臓器が傷つくなどして、様々な病気を引き起こす。特に肝臓は血液にのって活性酸素や過酸化脂質が集まりやすく、酸化を防ぐことが重要だと考えられている。同研究所は、日本酒を製造する過程で副産物としてできる酒かすの約6割を占めるたんぱく質に注目。これを酵素で分解してペプチドと呼ばれる断片にし、その働きを調べたところ、肝臓内で活性酸素を防御する働きがあるグルタチオンという物質と同様の酸化抑制作用があることを確認した。このことから研究員らは、酒かすに含まれる成分に肝機能保護や肝障害予防の効果があると結論づけた。 http://www.yamawaki-iin.jp
2010年6月20日日曜日
日本人の腸内細菌
日本人の腸内細菌には北米人で見られない海藻を消化する酵素の遺伝子があることが、フランスとカナダの研究でわかった。のり巻きずしなどを食べる習慣を通じ、ノリに潜んでいた海の微生物が持つ能力を腸内細菌が取り込んだ可能性が高いという。研究グループは、日本人13人と北米人18人の腸内細菌のゲノム(全遺伝情報)を網羅的に解析。すると日本人の腸内細菌だけから、ノリの仲間を餌にしている海洋微生物が持つ、炭水化物を分解する酵素を作る遺伝子が見つかった。人間は自力では消化できない食物からも栄養を摂取するため、細菌に腸というすみかを与え、代わりに、細菌が持つ消化の力を借りている。研究グループは、腸内細菌の働きは多様だが、食べ物に付着した微生物からその機能がもたらされているのだろうと分析。地域の食文化と、腸内細菌の特性の関連を示すものだ。
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