女性は月経前に、嫌悪するものに対する感受性が高まることを京都大霊長類研究所のグループが突き止めた。
イライラや憂鬱など月経前に心や体に現れる不快症状は「月経前症候群」として知られる。しかし、その判断は本人への質問による主観的な気分の聞き取りにとどまっており、今回の様な客観的な実証は初めて。
チームは、29歳と30歳の健康な独身女性60人に花の白黒写真8枚とヘビの白黒写真1枚の計9枚が並んだタッチパネル式の画面から、できるだけ速くヘビを見つけてもらい、時間を計測。
すると、月経が始まる3~4日前は、これ以外の時期と比べ、約0・2秒速く見つけられた。
これまでに米国のグループが、排卵後に増える黄体ホルモンが不安や怒りの感情に関わる脳の部位を活性化させることをマウスで解明。今回、ヘビを嫌う感受性が鋭くなったことから、ヒトでも黄体ホルモンが月経前の症状に影響している可能性がある。
2012年3月10日土曜日
2012年3月9日金曜日
2011年6月30日木曜日
土食
故意に土を食べるという概念はほとんどの人に嫌悪感をもたらすものかもしれないが、この慣習の歴史は古く、実際、健康的なものであると考えている人もいることが新しい研究で示された。既存の研究を分析した結果、土食は、細菌や寄生虫といった侵入者から身体を守る可能性があるという。
ヒトは何千年も前から土を食べており、住民のいる全大陸、ほとんどすべての国で報告されている。土を食べる理由を明らかにするため、米コーネル大学は、土食の文化に関する報告480件以上を調べ、パターンを検討した。
研究の結果、豊富に食物があっても土を食べ(通常、最初は煮る)、満腹になるほどは食べない傾向があることが判明した。栄養については、最もよく食べられる土は粘土の一種で、ミネラルは含まれていない。実際、摂取された粘土により消化管による栄養摂取が阻害される可能性があることが判明した。
米コーネル大学は、土が寄生虫や病原菌から身体を守る、身体防御というのが最良の回答であると考えており、土食が寄生虫や細菌に特に弱い妊娠初期の女性や思春期前の小児に最も多くみられることを指摘。この理論は、土食は食物が媒介する病原菌が最も多い熱帯地方で最も一般的であり、胃腸障害が認められる場合に土を食べたがることにより裏付けられる。
ヒトは何千年も前から土を食べており、住民のいる全大陸、ほとんどすべての国で報告されている。土を食べる理由を明らかにするため、米コーネル大学は、土食の文化に関する報告480件以上を調べ、パターンを検討した。
研究の結果、豊富に食物があっても土を食べ(通常、最初は煮る)、満腹になるほどは食べない傾向があることが判明した。栄養については、最もよく食べられる土は粘土の一種で、ミネラルは含まれていない。実際、摂取された粘土により消化管による栄養摂取が阻害される可能性があることが判明した。
米コーネル大学は、土が寄生虫や病原菌から身体を守る、身体防御というのが最良の回答であると考えており、土食が寄生虫や細菌に特に弱い妊娠初期の女性や思春期前の小児に最も多くみられることを指摘。この理論は、土食は食物が媒介する病原菌が最も多い熱帯地方で最も一般的であり、胃腸障害が認められる場合に土を食べたがることにより裏付けられる。
2011年6月29日水曜日
リンゴの皮
リンゴの皮に含まれるウルソル酸と呼ばれる天然化合物が、加齢や疾患による筋肉消耗の予防に有用である可能性が、マウスを用いた研究でわかった。
米アイオワ大学の研究では、最初にヒトとマウスの双方において絶食に反応して変化する63の遺伝子と、絶食をした人と脊髄損傷患者の筋肉で発現が変化する29の遺伝子が同定された。次に1,300の小分子を検討し、筋萎縮を抑制する可能性のある化合物としてウルソル酸に着目した。
次の段階で、ウルソル酸により、食餌を与えていないマウスの筋肉消耗を予防することができ、正常マウスの食餌にウルソル酸を何週間も加えると筋肉成長が促されることが判明した。また、ウルソル酸を投与したマウスのほうが痩せ、血糖値、血中コレステロール値およびトリグリセリド値が低下した。
マウスでみられた健康上の便益は、筋肉のインスリンシグナル伝達の強化と、筋萎縮に関連する遺伝子シグネチャーの修正によるという。ただし、この知見がヒトを対象とした臨床試験で確認されるかどうか、通常の食事で摂取する量のウルソル酸が筋肉消耗を予防するかどうかは不明である。しかし、この知見がヒトで確認されれば新薬の開発につながる可能性がある。
ウルソル酸は興味深い天然化合物であり、リンゴの皮の成分で通常の食事の一部となっている。1日1個のリンゴは医者いらずとも言われる。筋肉消耗は疾患や加齢に伴いみられることが多く、消耗により入院期間が延長し、回復が遅れ、患者が自宅に帰れない場合もある。筋肉消耗については十分に理解されておらず、それに対する薬剤もない。
米アイオワ大学の研究では、最初にヒトとマウスの双方において絶食に反応して変化する63の遺伝子と、絶食をした人と脊髄損傷患者の筋肉で発現が変化する29の遺伝子が同定された。次に1,300の小分子を検討し、筋萎縮を抑制する可能性のある化合物としてウルソル酸に着目した。
次の段階で、ウルソル酸により、食餌を与えていないマウスの筋肉消耗を予防することができ、正常マウスの食餌にウルソル酸を何週間も加えると筋肉成長が促されることが判明した。また、ウルソル酸を投与したマウスのほうが痩せ、血糖値、血中コレステロール値およびトリグリセリド値が低下した。
マウスでみられた健康上の便益は、筋肉のインスリンシグナル伝達の強化と、筋萎縮に関連する遺伝子シグネチャーの修正によるという。ただし、この知見がヒトを対象とした臨床試験で確認されるかどうか、通常の食事で摂取する量のウルソル酸が筋肉消耗を予防するかどうかは不明である。しかし、この知見がヒトで確認されれば新薬の開発につながる可能性がある。
ウルソル酸は興味深い天然化合物であり、リンゴの皮の成分で通常の食事の一部となっている。1日1個のリンゴは医者いらずとも言われる。筋肉消耗は疾患や加齢に伴いみられることが多く、消耗により入院期間が延長し、回復が遅れ、患者が自宅に帰れない場合もある。筋肉消耗については十分に理解されておらず、それに対する薬剤もない。
2011年6月28日火曜日
アルツハイマー病の早期発見
アルツハイマー病の早期の警告的徴候(warning sign)を検出する脳スキャンが、年内にも米国で利用可能となる見込みである。ただし、アルツハイマー病患者にとっては、まだ有効な治療法が開発されていない現状では、この診断法が有用なものとなるには時期尚早かもしれない。
アルツハイマー病は米国では死因の6番目となっており、近年、その死亡数は増加傾向にある。脳に沈着し、老化(senility)現象を引き起こすβ(ベータ)アミロイドと呼ばれる脳内蛋白(たんぱく)の徴候を検出するPET(ポジトロンCT)スキャンの有効性を示す研究結果が米国核医学会年次集会で発表された。
PETスキャナーで検出される蛋白濃度は脳における情報処理が遅い人のほうが高く、高齢者ではより高度な記憶障害に関係する。ただし、脳スキャンにより老化の徴候がみられた患者を治療するための医師の選択肢は限られている。
より正確かつ早期に診断を受けられることは、記憶力が低下し始めたときに起きている問題を知りたい人にとって重要。残念ながら、有効な治療法が見つかるまで疾患の進行を止めるためにできることはない。有効な治療法が見つかれば、本当の価値が出る。
このスキャンは安価でなく米国では何千ドルもかかるが、約90%でアルツハイマー病を正確に診断できる。医師自身が行う場合は80%になる。このスキャンにより同疾患を早期段階で検出できる。
アルツハイマー病は米国では死因の6番目となっており、近年、その死亡数は増加傾向にある。脳に沈着し、老化(senility)現象を引き起こすβ(ベータ)アミロイドと呼ばれる脳内蛋白(たんぱく)の徴候を検出するPET(ポジトロンCT)スキャンの有効性を示す研究結果が米国核医学会年次集会で発表された。
PETスキャナーで検出される蛋白濃度は脳における情報処理が遅い人のほうが高く、高齢者ではより高度な記憶障害に関係する。ただし、脳スキャンにより老化の徴候がみられた患者を治療するための医師の選択肢は限られている。
より正確かつ早期に診断を受けられることは、記憶力が低下し始めたときに起きている問題を知りたい人にとって重要。残念ながら、有効な治療法が見つかるまで疾患の進行を止めるためにできることはない。有効な治療法が見つかれば、本当の価値が出る。
このスキャンは安価でなく米国では何千ドルもかかるが、約90%でアルツハイマー病を正確に診断できる。医師自身が行う場合は80%になる。このスキャンにより同疾患を早期段階で検出できる。
2011年6月27日月曜日
血液検査で消化器がん発見
金沢大発の医療ベンチャー企業「キュービクス」は、簡単な血液検査だけで消化器がんを発見できる世界初の検査キットの輸出を目指し、欧州人向けの性能試験のためドイツの医療企業に検査キットの提供を始めた。
同社は、約2年前に、消化器がんの有無を血中の遺伝子の変化で判別する新技術を使い、マイクロアレイと呼ばれる検査キットを製造。
この検査キットを使えば、2・5ccの血液を採取するだけで、3日で結果が分かるといい、胃がん、大腸がんなどの消化器がんを9割の精度で発見できるという。同社によると、これまでの性能試験は日本人だけに行われてきたため、人種が違っても同様の性能があるかどうかを調べようと、ドイツの企業と共同で試験に臨むことにした。
マイクロアレイは8人分を同時に検査でき、原価が1枚約40万円。人間ドックのオプションとして需要が期待できる。
同社は、約2年前に、消化器がんの有無を血中の遺伝子の変化で判別する新技術を使い、マイクロアレイと呼ばれる検査キットを製造。
この検査キットを使えば、2・5ccの血液を採取するだけで、3日で結果が分かるといい、胃がん、大腸がんなどの消化器がんを9割の精度で発見できるという。同社によると、これまでの性能試験は日本人だけに行われてきたため、人種が違っても同様の性能があるかどうかを調べようと、ドイツの企業と共同で試験に臨むことにした。
マイクロアレイは8人分を同時に検査でき、原価が1枚約40万円。人間ドックのオプションとして需要が期待できる。
2011年6月26日日曜日
家庭血圧
診察室収縮期血圧(SBP)の最大値(外れ高値)が、同平均値とは別に、心血管イベントの強力な予測因子であることが最近報告されたが、自治医科大学循環器内科学部門の研究グループは、同様に家庭SBPの最大値が同平均値よりも標的臓器障害(TOD)の重症度を反映する可能性があるのではと仮定し、未治療の高血圧患者を対象に試験を行った。結果、最大家庭SBPとTODには相関関係があることが認められ、平均値に加えて評価をすることで、心臓や動脈の高血圧性TODの予測値を上げられる可能性があることがわかった。
研究グループは、2004年6月~2007年12月の間、山口県・岩国市立美和病院内科の外来で募った356例の未治療の高血圧患者(2週間以上あけた2回の受診時測定診察室血圧の平均値が、SBP値140mmHg以上かDBP値90mmHg以上、あるいは両方該当)を対象に試験を行った。
被験者は、家庭血圧を連続14日間、朝と夕それぞれ3回ずつ座位にて測定し、測定値は血圧計に記録された。
最大家庭SBPとは、毎日の朝測定3回の平均値、夕測定3回の平均値のうち最も高い値のものと定義した。
TOD有無については、心エコーにて計測した左室心筋重量係数(LVMI)、超音波検査による頸動脈内膜中膜厚(IMT)と、尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)を評価し測定した。
おもな結果は以下のとおり。 ●被験者の平均年齢は66.6歳、44.7%(159例)が70歳以上であった。被験者1人当たりの14日間の家庭血圧の測定総回数の平均値は79.8±7.9であった。 ●最大家庭SBPと、LVMI、頸動脈IMT、UACRとは、いずれも有意な相関関係が認められた。 ●LVMI、頸動脈IMTとの相関係数は、最大家庭SBPのほうが平均家庭SBPより有意に大きかった。 ●多変量回帰分析の結果、平均家庭血圧値に関係なく、最大家庭SBPは、LVMI、頸動脈IMTと独立した相関関係を示した。 ●最大家庭SBPを、平均診察室血圧と平均家庭血圧に加えて評価を行うことで、左室肥大、頸動脈アテローム性動脈硬化症の各予測モデルの適合性は有意に改善された。
本研究は、家庭血圧の変動性の増大が、平均値とは独立して、新規の高血圧性臓器障害の指標となることを示した貴重な臨床研究である。
昨年、オックスフォード大学の先生たちが、心血管ハイリスク群において、経過中の外来血圧の日差変動性(SD)やその最大収縮期血圧が、平均値とは独立して極めて大きな予後予測因子となることを示した。
この研究発表以降、血圧変動性が注目されているが、日差血圧変動性の増大は、外来血圧のみならず、家庭血圧でもみられる。本研究は、その日差変動性の増大と最大収縮期血圧が、平均家庭血圧とは独立して、左室肥大、頸動脈硬化、微量アルブミン尿と関連していることを示した。最大収縮期血圧は、家庭血圧平均値よりもより強く、さらに独立して、これらの臓器障害指標と関連していた。
また、最大収縮期血圧は、平均血圧レベルが130mmHg未満の血圧管理良好群においても、左室肥大や頸動脈硬化と独立して関連していた。
現在、高血圧管理において家庭血圧は不可欠である。これまで、平均値のみを重要視していたが、これからは、時々高値を示す最大血圧値にも留意して、臓器障害やリスクを評価してゆく必要がある。
研究グループは、2004年6月~2007年12月の間、山口県・岩国市立美和病院内科の外来で募った356例の未治療の高血圧患者(2週間以上あけた2回の受診時測定診察室血圧の平均値が、SBP値140mmHg以上かDBP値90mmHg以上、あるいは両方該当)を対象に試験を行った。
被験者は、家庭血圧を連続14日間、朝と夕それぞれ3回ずつ座位にて測定し、測定値は血圧計に記録された。
最大家庭SBPとは、毎日の朝測定3回の平均値、夕測定3回の平均値のうち最も高い値のものと定義した。
TOD有無については、心エコーにて計測した左室心筋重量係数(LVMI)、超音波検査による頸動脈内膜中膜厚(IMT)と、尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)を評価し測定した。
おもな結果は以下のとおり。 ●被験者の平均年齢は66.6歳、44.7%(159例)が70歳以上であった。被験者1人当たりの14日間の家庭血圧の測定総回数の平均値は79.8±7.9であった。 ●最大家庭SBPと、LVMI、頸動脈IMT、UACRとは、いずれも有意な相関関係が認められた。 ●LVMI、頸動脈IMTとの相関係数は、最大家庭SBPのほうが平均家庭SBPより有意に大きかった。 ●多変量回帰分析の結果、平均家庭血圧値に関係なく、最大家庭SBPは、LVMI、頸動脈IMTと独立した相関関係を示した。 ●最大家庭SBPを、平均診察室血圧と平均家庭血圧に加えて評価を行うことで、左室肥大、頸動脈アテローム性動脈硬化症の各予測モデルの適合性は有意に改善された。
本研究は、家庭血圧の変動性の増大が、平均値とは独立して、新規の高血圧性臓器障害の指標となることを示した貴重な臨床研究である。
昨年、オックスフォード大学の先生たちが、心血管ハイリスク群において、経過中の外来血圧の日差変動性(SD)やその最大収縮期血圧が、平均値とは独立して極めて大きな予後予測因子となることを示した。
この研究発表以降、血圧変動性が注目されているが、日差血圧変動性の増大は、外来血圧のみならず、家庭血圧でもみられる。本研究は、その日差変動性の増大と最大収縮期血圧が、平均家庭血圧とは独立して、左室肥大、頸動脈硬化、微量アルブミン尿と関連していることを示した。最大収縮期血圧は、家庭血圧平均値よりもより強く、さらに独立して、これらの臓器障害指標と関連していた。
また、最大収縮期血圧は、平均血圧レベルが130mmHg未満の血圧管理良好群においても、左室肥大や頸動脈硬化と独立して関連していた。
現在、高血圧管理において家庭血圧は不可欠である。これまで、平均値のみを重要視していたが、これからは、時々高値を示す最大血圧値にも留意して、臓器障害やリスクを評価してゆく必要がある。
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