2011年1月23日日曜日

アルコールの課税効果

たばこ規制においては、価格コントロールが健康被害の軽減に有効であることが示されているが、同じく嗜好品であるアルコール規制の有効性については研究途上にあるようだ。フロリダ大学医療評価・政策学の研究によると、アルコールへの課税率を2倍にすると死亡率が35%減少するそうだ。
2010年5月に採択された世界保健機関(WHO)のアルコール規制に関する指針では、アルコール乱用による健康被害や社会的悪影響を予防する政策介入の1つとして、アルコール課税システムの適正化が盛り込まれた。研究では、アルコールの価格や課税と疾病率および死亡率の関係をシステマチックレビューやメタアナリシスで検討した。
解析の結果、アルコールへの課税や価格規制を強化することにより、健康被害や社会的悪影響が低減される可能性が示された。
暴力、交通事故、性感染症、薬物使用、犯罪などの不正行為についてもアルコールへの課税や価格規制と負の相関関係にあり、統計学的有意差が示された。また、有意差は示されなかったが、自殺についても負の相関傾向が示された。
さらに、アルコールに対する課税率を2倍にすると、アルコールに関連する死亡率が35%低下し、交通事故死は11%、性感染症は6%、暴力は2%、犯罪についても1.4%低下することが示唆された。以上の研究結果より、アルコール価格に影響を与える政策介入は、アルコールに関連する死亡率に重大な影響を及ぼすことがわかった。

0 件のコメント:

コメントを投稿