2011年3月2日水曜日

ビタミンDサプリメント

ビタミンDサプリメントは、ビタミンDが正常な小児、青少年の骨密度に利点をもたらさないが、欠乏している場合は一定の改善効果が得られることが、オーストラリア・タスマニア大学の研究で明らかになった。ビタミンDの欠乏はごく一般的にみられる状態だが、小児における潜在的なビタミンD欠乏は骨に悪影響を及ぼす可能性があるという。
研究グループは、小児、青少年の骨密度に及ぼすビタミンDサプリメントの効果を検討し、用量などの因子による効果の変動について評価した。
生後1ヵ月から20歳未満までの健常小児、青少年を対象に、ビタミンDサプリメントを3ヵ月以上投与して骨密度を評価した。
前腕、股関節、腰椎の骨密度および全身骨塩量のベースラインからの変化率を算出し、性別、思春期ステージ、ビタミンDの用量、ベースラインの血清ビタミンD濃度に関する解析を行った。
解析の結果、全身骨塩量、股関節・前腕の骨密度に対するビタミンDの有意な効果はみられなかった。腰椎の骨密度に対しては、わずかに有効な傾向が認められた。
血清ビタミンD濃度別の比較では、高値例と低値例で効果は同等であったが、全身骨塩量については低値例で効果が大きい傾向がみられた。
血清ビタミンD濃度低値例では、全身骨塩量と腰椎骨密度に対するビタミンDの有意でおおよそ同等な効果を認めた。
結論として、ビタミンDサプリメントは、ビタミンDが正常レベルの小児、青少年の骨密度に利点をもたらす傾向は認めなかった。しかし、血清ビタミンD濃度による解析では、ビタミンDが欠乏した小児、青少年において、サプリメントは特に腰椎骨密度と全身骨塩量に対する臨床的な改善効果を示した。

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