2011年3月6日日曜日

ウオーキング

米ピッツバーグ大学の研究で、身体活動レベルと高齢期の脳サイズとの関連性について長期的に調査し、1週間の歩行距離が長かった者ほど、その後の脳灰白質サイズが保持され、認知機能障害リスクも低かったことがわかった。
脳は中年以降に縮小し、記憶障害を引き起こすことがある。脳灰白質サイズの保持には身体活動が有効だといわれているものの、実際に長期にわたるデータを用いて、この関連性を検討した研究はこれまでなかった。今回の13年にわたる調査の結果、高齢者は運動を取り入れることで、認知症やアルツハイマー病(AD)が予防できることが分かった。
今回の研究では、認知症のない被験者299例(平均年齢78歳)を対象に1週間に何ブロック歩いたかを記録。その9年後に脳サイズを測定し、さらにその4年後に認知障害や認知症の有無について検査した。
研究開始から9年後に脳サイズを測定した結果、歩行距離が長かった者ほど、脳サイズが大きいことが分かった。
また研究開始から13年後に認知機能検査を実施したところ、歩行距離が長かった者では、記憶障害リスクが2分の1であることが分かった。
今回の結果から、規則的な身体活動を行うことで、脳のサイズが保持され、思考や記憶を維持できる可能性が示唆された。全世代に規則的な身体活動を促すための早急な対策が必要であろう。

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