2010年12月15日水曜日

ビタミンE

ビタミンEの補充は脳梗塞のリスクを低下させる一方、脳出血のリスクを高めると、米ハーバード大学などのグループが発表した。
同グループは、2010年1月までに報告された論文を医学電子データベースから検索。ビタミンE補充の脳卒中への影響を1年以上の追跡で検討した試験を抽出し、解析により脳卒中全体および脳梗塞、脳出血発症への影響を評価した。
解析対象は、参加者計11万8,765例(ビタミンE群5万9,357例、プラセボ群5万9,408例)を含む9試験。うち7試験で脳卒中全体、5試験で脳梗塞と脳出血のデータが報告されていた。
解析の結果、ビタミンE補充による脳卒中全体の発症への有意な影響は認められなかった。しかし、タイプ別に分けると、ビタミンEの補充によって脳梗塞の発症が10%減少。その一方で、脳出血の発症が22%増えていた。
絶対リスクに関しては、476例がビタミンEを服用するごとに脳梗塞が1例減少。1,250例がビタミンEを服用するごとに脳出血が1例増える計算になった。
同グループは、ビタミンEの補充には十分な注意が必要であると指摘している。

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