2010年8月30日月曜日

腹囲とメタボ(2)

日本のメタボ診断基準が腹囲を必須とするのは、腹部に蓄積する内臓脂肪が心筋梗塞などの循環器疾患を引き起こす主因との考え方に基づいてきたからだ。ところが、日本人の循環器疾患発症の傾向を調べた解析によると、内臓脂肪の蓄積だけではなく、血糖値など一部の血液検査値の悪化や食生活によっても危険性が高まる。このため、腹囲を必須とする現在の特定健診は、やせていて循環器疾患の危険性のある人を見落とす恐れがあると指摘されてきた。
男性は40~50歳代の比較的若い世代で腹部肥満が増えており、現在の健診に意味があるとみられていた。だが、最近の研究成果では、50歳前後の男性も腹部肥満の有無と検査値悪化の明確な関係を見いだせていない。
これらの調査結果は、内臓脂肪の蓄積が循環器疾患の原因の一つにすぎないことを示しており、それ以外の要因についても等しくチェックする健診体制の検討が求められることになりそうだ。

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