2010年8月19日木曜日

食種とタイミング

アラバマ大学バーミングハム校公衆衛生学部疫学科の新たな研究によると、“王様のような朝食、王子のような昼食、貧民のような夕食を取れ”という昔の格言は、実際のところ、メタボリックシンドロームを予防するうえで最も優れたアドバイスのようだ。研究では、朝目覚めた後に高脂肪食を与えたマウスの代謝が正常であることを明らかにした。反対に、朝に高炭水化物食をより多く摂取したマウスでは、メタボリックシンドロームの指標である体重増加、肥満、耐糖能障害などの異常が生じるという。
今回のマウスの実験では、食物の種類や摂取のタイミングがメタボリックシンドロームの発症に影響しうるか否かが検討された。そしてその結果、目覚め時の脂肪摂取がきわめて効果的に脂肪代謝を刺激し、その日1日の摂取において、さまざまな種類の食物に対する反応スイッチが“オン”になることを見出した。
一方、目覚めたときに炭水化物を与えると、1日中炭水化物代謝のスイッチが入った状態となり、別の食物を摂取させても炭水化物代謝が優位に働くという。
1日の最初の食事が、その日の代謝系を左右するようだ。今回の実験から、炭水化物の豊富な朝食を取ると、その日の炭水化物利用が促進されるが、脂肪の豊富な朝食を取ると、炭水化物から脂肪へとエネルギー利用が移行するような代謝系へと変化することがわかった。
さらに、この研究から得られた重要な知見として、就寝前のマウスに低カロリー食を摂取させたことが、健康増進につながった点を挙げている。逆に、就寝前に高脂肪食を与えたマウスでは、体重増加、肥満、耐糖能異常、高インスリン血症、高トリグリセライド血症、高レプチン血症などを来した。

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