2010年8月3日火曜日

乳がん検診

20~30歳代の女性を対象とした乳がん検診に対し、専門家らが異議を表明している。乳がん検診は何歳から必要なのだろうか。
乳がんのため24歳の若さでこの世を去った女性のドキュメンタリー「余命1ヶ月の花嫁」。2007年にTBSで放映されるや大反響を呼んだ。08年からは、番組にちなみ、20~30歳代に限定した乳がん検診キャンペーンが展開されているが、これに対し、患者や医療関係者らが、TBS側に内容の見直しを求める要望書を出した。要望書は「20~30代の女性を対象とした検診は科学的根拠がなく、正しい情報を発信する責務があるテレビ局が行うのは問題」などと指摘。
厚生労働省の指針では、乳がん検診の対象は40歳以上。40~50歳代に患者が多いためとしている。
乳がん検診に詳しい国立病院機構名古屋医療センター放射線科は「若い世代に関心を持ってもらうための啓発は重要ですが、すべての若年者に広く検診を勧めるのは間違い」と指摘する。本来必要のない精密検査を受けることになったり、苦痛が伴ったり、といった不利益のほうが大きいためだ。
米国では40歳代を対象に含めるかどうかでも論議が起きている。09年11月、政府の作業部会が「不必要な検査や治療につながる可能性が高い」としてマンモグラフィ検診の対象を50歳以上に引き上げるよう勧告。これに対し、米国対がん協会などは40歳代でも利益の方が上回ると反論している。
TBS広報部は「詳しく説明した上で、自己責任で受けてもらっている。様々なリスクを考慮した上でも、受診機会を提供したことは一定の成果があったのではないかと考えている」などとしている。
ドキュメンタリーが感動的なだけに若い人への影響は大きい。感情に流されることなく、正しい情報を知ることが大切。まずは40歳代の検診率を上げ、早期発見、早期治療につなげることが先決かもしれない。

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