2010年8月25日水曜日

ネットいじめ

ネットいじめ(サイバーブリー)の加害者および被害者は、ともに身体的にも精神的にも問題を抱える可能性の高いことが、フィンランドの研究で明らかになった。この調査では、ネットいじめの加害経験のあったティーンエイジャーは7%超、被害経験は5%、両方の経験があったのは5.4%で、米ミシガン大学によると、米国でも状況は類似しているという。
ネットいじめは、携帯電話、パソコンなどの電子メディアを通じて、相手に対して攻撃的な行為を意図的に繰り返すもの。
今回の研究では、13~16歳のフィンランドのティーンエイジャー2,215人を対象にデータを収集。ネットいじめの加害および被害経験のほか、全般的な健康状態についてたずねた結果、被害経験のあるティーンは、家庭崩壊、情緒、集中力および行動に問題のある比率が高く、他人との付き合いが困難、頭痛、腹痛、睡眠障害になりやすい、学校で安心感を得られないという傾向があった。
一方、加害者自身にも情緒、集中力および行動の障害、他人との付き合いの困難、多動や素行問題が多くみられ、喫煙や飲酒、頭痛、学校で安心感を得られないという傾向も強かった。加害および被害の両方の経験のあるティーンエイジャーには、上記のあらゆる問題が認められた。
従来のいじめは主に学校で起こるため、少なくとも家にいるときは安心できるが、ネットいじめでは被害者は24時間休みなくリスクにさらされており、不安感がさらに強まる可能性が高いと研究チームは指摘している。
ネットいじめには学校、親および子どものいずれにも原因がある。学校が積極的にいじめ対策を行う必要があるほか、いじめに気付いた第三者が学校に報告することも有効である。ネットいじめの元となるのは主に学校での友人関係であり、ネットではデータが残ることが対策上、1つの利点となる。

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