2010年8月26日木曜日

腸管延長

生まれつき腸の動きを制御する神経節細胞が欠落し、重い便秘症や腸閉塞を起こす難病「ヒルシュスプルング病」で、石川県立中央病院は7月15日、2歳男児のわずかに残る正常な腸管に切り込みを入れて延長して機能を確保する手術に世界で初めて成功したと発表した。
5000人に1人が発症するとされ、この男児はこの病気の中でも重度の小腸と大腸の大半が機能しない「全腸管型」。死に至る危険も大きく、従来は小腸移植しか助かる方法がないとされていた。
男児は生まれた直後から激しい嘔吐を繰り返した。診断の結果、正常に機能するのは小腸の一部分の約20センチのみだった。正常な20センチの腸管に左右交互に切り込みを入れて蛇腹状に伸ばし、切り込んだ部分を縫い合わせて1メートルまで延長し、人工肛門につなげることに成功。男児は感染症にもかからず無事退院。体重も増えているという。
切り込みを入れるには腸管の太さも必要で、全患者に有効かは不明のようだが、自らの臓器を生かす新たな治療の道が開けたようだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿