2011年4月20日水曜日

自転車で体重抑制

ハーバード大学公衆衛生学部の研究グループは閉経前の女性を16年間追跡。自転車の利用や速歩によって体重増加が抑制できることが分かった。この関連は、特に過体重や肥満の女性で顕著に見られ、用量依存的効果があるようだ。
米国成人の66%が過体重または肥満で、小児と青年の16%は過体重、さらに小児と青年の34%が将来過体重になるリスクを持つとされる。これまで、歩行と体重増加を検討した研究はかなり実施されているが、自転車に関するものは少ない。また多くが男性を対象としている。そこで今回の追跡調査では、閉経前女性を対象に自転車の利用と体重管理の関係が評価された。
今回の研究では、閉経前の女性1万8,414人を1989から2005年まで追跡し、 体重がこの期間に5%増加したかどうかが確認された。
開始時(1989年)における1日当たりの活動量を調べたところ、1日30分以上速歩をしている女性は39%にすぎず、自転車に乗っている女性も1.2%にとどまった。
追跡の結果、1989年から2005年にかけて速歩および自転車に費やす時間が増加した者ほど体重増加が抑制され、1日当たりの時間が30分増加するごとに、速歩で−1.81kg、自転車で−1.59kgの体重増加の抑制が認められた。一方、時速3マイル未満の低速歩行では、このような変化は認められなかった。
開始時に自転車に乗らないと回答した女性のうち、2005年までに自転車に乗る時間がたとえ1日に5分であっても増えた者では、体重増加が抑制され(−0.74kg)、対照的に、1989年に15分以上乗っていたが2005年時にその時間が減少した女性では体重が増加した(+2.13kg)。
また、追跡期間中に体重が5%増加する確率を算出したところ、正常体重の女性では2005年に毎週4時間以上自転車に乗っている者で低かった。一方、過体重および肥満の女性では2005年時に毎週2~3時間自転車に乗っている者で低かった。
今回の研究から、自転車に乗ることは、速歩と同様に体重増加の抑制に有効であることが分かった。しかし、米国では16歳以上の通勤・通学人口のうち自転車に乗るのは0.5%程度にすぎず、そのうち女性は23%にすぎないのが現状。自転車は、わざわざジムに行かなくても、日常生活の中で、例えば通勤、通学時や買い物に行く際などに車の代わりとして用いることができる。また、自転車は交通手段であって、目的地に着くことが重要となるため、意識せずに運動が行える良い方法である。

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