2011年4月27日水曜日

不妊治療とストレス

ロンドンのカーディフ大学心理学科・不妊治療研究グループは、体外受精(IVF)など生殖補助医療を受けている女性を対象に治療前の精神的苦痛と治療成績とを検討した。その結果、不妊治療の前に不安や落ち込みなどのストレスを感じても、治療成績とは関連しないことがわかった。
妊娠可能年齢人口の9~15%が不妊症で、その半数以上が治療を受けている。
不妊症女性の大半は、精神的苦痛が自然妊娠または不妊治療の成功を妨げる要因の1つだと信じている。しかし、このような考え方は主に、気を楽に持てば妊娠するものだという言い伝えに基づいており、確かなエビデンスもない。そのため、多くの医師はこの関連性について懐疑的な見方を示している。
そこで今回の研究では、ストレスと不妊治療の成績との関連性を調査するために、不妊治療を受けている女性(計3,583例)を対象とする14の研究について解析した。これらの研究では、不妊治療の開始前に参加女性の不安やストレスを評価し、治療結果との関連性が前向きに検討されている。
解析の結果、不妊治療実施前の精神的苦痛は、妊娠の有無とは無関係であることが分かった。
今回の研究から、不妊や治療にストレスを感じても、妊娠成功率には影響を及ぼさないことが確認された。

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