2011年4月28日木曜日

震災関連死

東日本大震災の発生から1か月半、避難所の寒さや衛生状態の悪さから持病が悪化するなどして亡くなる震災関連死の疑い例が、岩手、宮城、福島3県で少なくとも300人近くに上ることが、読売新聞の災害拠点病院などのアンケート調査でわかった。
避難所の劣悪な状況はあまり改善されておらず、専門家によると、関連死が拡大する速度は、阪神大震災や中越地震の時と比較にならないようだ。
調査は、災害拠点病院と主な2次救急指定病院に、これまでに被災した影響で持病悪化や新たな発症で亡くなった患者数を聞いたところ、大半は高齢者とみられる。
死因について138人について回答があり、肺炎などの呼吸器疾患43人、心不全などの循環器疾患40人、脳卒中などの脳血管疾患11人。
石巻赤十字病院は、3月中に1日30-50人の急患が搬送された。半数が避難所の被災者で、意識もなく心停止状態で運ばれてくる高齢者が多かった。同病院は、こうしたケースも関連死の疑い例とみている。
震災関連死は、自治体が地震との因果関係を認定すれば、弔慰金の支払い対象となる。認定作業は審査会を設置して行われるが、医師の死亡診断書や警察の検視などが重要な判断材料となる。
1995年の阪神大震災では仮設住宅の孤独死、2004年の中越地震では車中泊によるエコノミークラス症候群が問題となった。阪神大震災では、発生から10年間で919人が認定された。兵庫県内の死者6402人の14%を占めている。東日本大震災の死者は、警察庁の集計で1万3000人を超えたが、関連死は含まれていない。3県の災害対策本部は、いずれも関連死を把握しきれていないとしている。
震災関連死は地震に伴う持病の悪化や発作などが原因による死亡。明確な基準は定められていないが、自治体が認定する。阪神大震災でわが国の災害史上初めて、避難所生活や必要な医療が受けられないことで病気が悪化した関連死も死者に加えられた。

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