2011年4月23日土曜日

放射能汚染

汚染された食品の放射性物質の量は、調理や加工で減らせる場合があるらしい。
農産物の汚染経路は、〈1〉大気中の放射性物質が表面に付く〈2〉土壌に降り積もった放射性物質が根を通じて吸収される――の2通りある。いま見つかっているのは、〈1〉の表面汚染だ。
国内外の研究成果をみると、葉もの野菜の表面についた放射性ヨウ素、放射性セシウムとも、水洗いをすると10~30%程度は落ちることがわかっている。葉の裏表、茎にも付くため、水を入れたボウルやたらいの中で、野菜を振るように洗うと良い。水洗いの後で、さらにゆでて、そのゆで汁を捨てると、40~80%は除去できるようだ。
ブロッコリーなどの花蕾類や、根から吸収した野菜の場合はどうか。除去率のデータは少ないが、ゆでて、ゆで汁を捨てればある程度の低減が見込めるようだ。放射性物質はゆで汁に溶け出ると考えられるためで、熱で減るわけではない。
牛乳は、乳製品への加工で放射性物質の量を減らせる。加工過程で、放射性ヨウ素、セシウムは液体の乳清部分に残り、バターやチーズにはほとんど移行しない。そもそも放射性ヨウ素は8日間で放射線を出す力が半分に減るため、乳製品の加工・貯蔵過程で少なくなる。加工法の違いで、牛乳から乳製品への放射性物質の移行率を下げる研究もある。
水道水の放射性ヨウ素汚染に活性炭を使う試みがあるが、効果は薄いとみる専門家が多い。イオン交換樹脂で除去できたとする実験もあるが、放射性ヨウ素を確実に取り除ける家庭用浄水器があるかどうかは、これから検証する必要がある。
放射性物質がどの程度、食品に移行するかは、食品の種類や環境中の濃度、天候などによっても異なる。海産物も含め、食品への汚染を長期にわたり監視し続ける態勢が必要なようだ。

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