2011年2月11日金曜日

カルシウムサプリメントと心筋梗塞

オークランド大学医学保健科学部の研究で、骨粗鬆症の高齢患者が摂取することの多いカルシウム(Ca)サプリメントは心筋梗塞リスクの増加に関連していることがわかった。今回の研究結果から、骨粗鬆症の管理におけるCaサプリメントの役割を見直す必要があることが示唆された。
Caサプリメントは骨を強化するために広く処方されている。しかし、その一方で、最近行われた試験から、健康な高齢女性では、Ca摂取によって心筋梗塞と心血管イベントの発生率が増加する可能性が示されている。
そこで研究チームは、この重大な問題をさらに詳しく調べるため、Caサプリメントの影響を検討した。
その結果、プラセボ群と比べCaサプリメントを摂取した群では心筋梗塞リスクが約30%上昇していた。また有意ではないが、脳卒中や死亡リスクも上昇していることが分かった。この結果はすべての試験で年齢、性およびサプリメントの種類を問わず一貫していた。
Caサプリメントは広範に使用されているため、リスクの上昇はわずかであっても、人口全体に及ぼす影響は大きくなる。
先行研究からは、食事から摂取したCaと心血管リスクの間に関連性は認められておらず、このリスクはサプリメントに限られることもわかっている。
Caサプリメントの骨密度や骨折予防に対する有益性がわずかであることを考慮すると、骨粗鬆症の管理におけるCaサプリメントの役割について見直す必要があるかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿