2011年2月12日土曜日

スポーツ飲料に注意

テキサス大学公衆衛生学部行動科学の研究で、果物や野菜を食べ、運動するなど健康的な生活習慣を実践している小児でも、糖質などを添加したスポーツ飲料の大量摂取が健康に悪影響を及ぼす可能性があることがわかった。
小児や親は、これらの飲料を“健康に良いもの”と考えがちだが、実際には糖質が多く、栄養価は低い。
今回の研究では、テキサス州の中学2年から高校2年までの1万5,283人を対象に、糖質入り飲料(SSB)、ソーダ、非炭酸の味付けされたスポーツ飲料(flavored and sports beverage;FSB)と(1)不健康な食物の摂取(2)健康的な食物の摂取(3)身体活動レベル—との関係を調べ、これらの飲料摂取と関連する生活パターンを検討した。SSBには炭酸の有無にかかわらず、糖質や高果糖コーンシロップなどの高カロリー甘味料が添加された飲料が含まれた(100%果汁を除く)。
その結果、テキサス州の小児の28%が、1日に3回以上SSBを摂取していた。
SSB、ソーダ、FSBの摂取量はいずれも不健康な生活パターンと関連していた。その一方で、FSBの摂取量は、野菜や果物の摂取、運動などの健康的な生活習慣とも正の相関を示した。このような関連はソーダ摂取では認められず、むしろ健康的な習慣と負の相関が示された。
スポーツ飲料は健康的なライフスタイルとマッチする飲料として販売されており、ソーダとは別物として扱われている。しかし、実際のところ、このような飲料では果汁含有率は極めて低い上、不必要にカロリーが高い。今回の研究の結果、FSBには糖質が含まれているにもかかわらず、誰もが健康に良いと誤解している事実が浮き彫りになった。
米疾病管理センター(CDC)によると、米国の小児と青年(2~19歳)のうち17%近くが肥満傾向にあり、SSBの摂取量増加が全米の高肥満率に拍車をかけているのかもしれない。
これらの飲料の摂取は体重を増加させる可能性があり、1日にソーダもしくは他のSSBを1缶飲むだけで、体重が1年で4.5kg以上増加する可能性がある。
果汁ジュースはたとえ100%果汁であっても高カロリーなので、1日に1杯以上摂取すべきではない。果汁ジュースよりも果物そのものの方が栄養価は高い。また、スポーツ飲料は激しい運動のとき以外は摂取すべきではなく、それ以外の場合は水を飲むべきである。
青年とその親は、FSBに添加されている糖質について知る必要がある。FSBを大量に摂取すると、運動で得られた効果が台無しになる。肥満を予防するためには、FSBに関する誤解を解くことが重要なようだ。

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