2010年6月11日金曜日

ヘルパンギーナ1

発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性発疹を特徴とし、夏期に流行する小児の急性ウイルス性咽頭炎であり、いわゆる夏かぜの代表的疾患。その大多数はエンテロウイルス属、流行性のものは特にA群コクサッキーウイルスの感染によるもの。

疫 学
我が国では毎年5 月頃より増加し始め、6~7月にかけてピーク を形成し、8月に減少、9~10月にかけてほとんど見られなくなる。国内での流行は例年西から東へと推移する。患者の年齢は4歳以下がほとんどであり、1歳代がもっとも多く、ついで2、3、4、0歳代の順となる。

病原体
エンテロウイルスとは、ピコルナウイルス科に属する多数のウイルスの総称であり、ポリオウイルス、A群コクサッキーウイルス(CA)、B群コクサッキーウイルス(CB)、エコーウイルス、エンテロウイルス(68~71 型)など多くを含む。ヘルパンギーナに関してはCA が主な病因であり、2、3、4、5、6、10型などの血清型が分離される。なかでもCA4がもっとも多く、CA10、CA6 などが続く。またCB 、エコーウイルスなどが関係することもある。エンテロウイルス属の宿主はヒトだけであり、感染経路は接触感染を含む糞口感染と飛沫感染であり、急性期にもっともウイルスが排泄され感染力が強いが、エンテロウイルス感染としての性格上、回復後にも2~4週間の長期にわたり便からウイルスが検出される。

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