2010年6月17日木曜日

さする

打撲したり骨折したりした場合に痛む場所を「さする」という動作には、傷ついた神経回路を修復する効果があることが、群馬大大学院の研究でわかった。研究では、神経細胞にあって熱を感じるセンサーの役割を果たすタンパク質「TRPV2」に注目。マウスやニワトリの細胞を使った実験で、TRPV2があると、TRPV2をなくした細胞に比べて、刺激を伝える神経の「突起」という部分が長く伸びた。「さする」行為と同様の刺激を与えるため、TRPV2がある人間の神経細胞を載せた膜を引っ張ると、細胞が反応することを確認。TRPV2が物理的な刺激を受け止めるセンサーの役割を果たし、人間でも突起が伸びて神経が再生するのを促していると考えられるという。将来、胚性幹細胞(ES細胞)やiPS細胞などを使った再生医療技術と組み合わせると、効果的な神経再生に役立つ可能性があるのではないかとしている。

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