2010年10月2日土曜日

減量薬のリスク

欧米で広く使用されている減量薬メリディア(日本では2009年承認申請却下)と、致死的でない心臓発作および脳卒中リスクとの関連が新しい研究で示された。ただし、同薬の使用により死亡率が増大することはないようだ。
リスクが高いのは心疾患または脳卒中の既往のある人、つまり初めから同薬を使用すべきでない人である。2010年1月以降、同薬には心疾患のある人は使用しないようにという警告が表示されている。
今回の研究では、2型糖尿病または心疾患のある過体重または肥満の高齢成人約1万1,000人を、メリディア群またはプラセボ(偽薬)群に無作為に割り付け、約3.4年間追跡。Meメリディア群では11.4%に心臓発作、脳卒中または心臓障害による死亡がみられたのに対して、対照群では10%とリスクは16%増加していた。また、メリディア群では非致死的心臓発作および脳卒中のリスクがそれぞれ28%、36%高いこともわかった。
減量するのは、肥満による心臓発作や脳卒中のリスクを下げるのが目的。減量薬によってそのリスクが高まるのであれば本末転倒である。従来の食事や運動による減量が有用であり、薬剤の必要性は疑問視される。

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