2010年10月17日日曜日

HDLコレステロール(HDL-C)

タフツ大学(ボストン)分子心臓病学研究所の研究グループは、HDLコレステロール(HDL-C)値が高い人では心疾患リスクが2分の1~3分の1になるだけでなく、発がんのリスクも大幅に低くなるとの研究結果を発表した。
今回の研究は、総症例数が14万5,743例の大規模試験となり、追跡期間の中央値は5年で、発がんの報告件数は8,185例であった。
研究の結果、HDL-C値が10mg/dL高くなるごとに発がんリスクが36%低くなることがわかった。これはベースラインのLDLコレステロール(LDL-C)値や年齢、BMI、糖尿病、性、喫煙状況を含む他の危険因子とは独立したものであった。
HDL-C値を高める最良の方法は健康的なライフスタイルを選択すること、すなわち定期的に運動し、健康的な食事を取り、飲酒は適度に抑え、禁煙することである。心疾患リスクが高いとされる人には、HDL-C値を上昇させる薬剤がある。
この研究は、HDL-Cが喫煙、肥満、炎症など、心疾患とがんの双方に関与することが知られているすべてのライフスタイル・危険因子の重要なマーカーである可能性を示している。低いHDL-C値は、慢性疾患リスクのマーカーと考えられるため、そのような患者にライフスタイルの改善を強調する動機付けになるだろう。

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