2010年10月23日土曜日

不健康な四つの習慣

ノルウェーのオスロ大学の研究で、喫煙、運動不足、飲酒、偏った食事という四つの不健康な習慣の重複が、死亡リスクの大幅な増加と関連していることがわかった。
これまでの複数の研究で、(1)喫煙(2)運動不足(3)多量飲酒(4)重要度は劣るが野菜や果物の少ない食事—は、心血管疾患(CVD)、がん、早死などのリスク増と関連していることがわかっている。しかし、これら不健康な習慣の影響を調べた研究のほとんどは、各習慣の独立した影響を検討したものばかりである。
しかし現実には、複数の不健康なライフスタイル要因が併存している可能性がある。このような行動に対する公衆衛生上の影響を理解するには、一つの行動だけでなく、習慣の重複が健康に与える影響を調べる必要がある。
今回の研究では、1984~85年に18歳以上の参加者4,886例に聞き取り調査を行った。不健康な習慣一つにつき1点を加算して、健康習慣スコアを算出した。不健康な習慣は、(1)喫煙(2)果物と野菜の摂取が1日3回未満(3)1週間の運動時間が2時間未満(4)1週間の飲酒量が女性の場合は14単位超(1単位はアルコール8g)、男性の場合は21単位超—とした。
平均20年間の追跡期間中に1,080例が死亡したが、死因の内訳はCVD(431例)、がん(318例)、そのほか(331例)であった。
スコアが4点であった者は、0点であった者と比べて、CVDまたはがんで死亡するリスクが約3倍、そのほかの疾患による死亡リスクが4倍で、全死亡リスクは12歳年上の人と同等であった。また、不健康な習慣の数が一つ増えるごとに、全死亡と各疾患による死亡リスクが増加した。
ライフスタイルをわずかでも改善できれば、相当の効果が得られることが分かっている。今後の公衆衛生政策では、人口全体で健康的な食生活とライフスタイルを向上させるための効率的な方法について考える必要があるようだ。

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