2010年10月20日水曜日

カナダの禁煙法

トロント大学臨床評価科学研究所の研究で、公共スペースや職場に加えてレストランなども禁煙とする禁煙法の施行により、心血管疾患による入院が39%、呼吸器疾患による入院が33%減少したことがわかった。
これまでの研究では,禁煙法の施行が心血管疾患、特に心筋梗塞のアウトカムにどのように影響するかについて検討されることが多かった。しかし、呼吸器疾患による入院への禁煙法の影響について調査した研究は少ない。
今回の研究では、1996年1月~2006年3月の10年間にわたり住民対象研究を行い、トロントで施行された禁煙法が、心血管疾患(急性心筋梗塞,狭心症,脳卒中)と呼吸器疾患(喘息,慢性閉塞性肺疾患,肺炎,気管支炎)による入院に与える影響について調査した。
トロントでは1999~2004年に、フェーズ1~3の3段階に分けて段階的に禁煙法を施行。入院の減少が最大だったのは、公共スペースや職場に加えてレストランでの喫煙が禁止されたフェーズ2施行後3年間であった。この期間に急性心筋梗塞、呼吸器疾患、心血管疾患による粗入院率はそれぞれ17%、33%、39%低下した。
今回の結果は、受動喫煙への曝露は健康に有害なため、曝露量を減らすための法制化が必要とするこれまでのエビデンスと一致している。さらに、どのような状況下で禁煙法が最も効力を発揮するかについて、さらなる研究が必要なようだ。

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