2011年5月6日金曜日

子宮頸がんワクチン

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)のワクチン接種について、3回の接種を標準スケジュールの初回接種0・2・6ヵ月ばかりでなく、0・3・9ヵ月や0・6・12ヵ月で行っても、効果は非劣性であることが、米国・ワシントン州シアトルで行われた無作為化非劣性試験で確認された。
研究グループは、2007年10月~2010年1月にかけて、ベトナム21ヵ所の学校に通う11~13歳の女生徒903人について、オープンラベルクラスター無作為化試験を行った。研究グループは被験者を無作為に、HPVワクチンを「標準接種(0・2・6ヵ月)」「0・3・9ヵ月」「0・6・12ヵ月」「0・12・24ヵ月」のスケジュールで接種する4群に割り付けた。
3回目接種後1ヵ月に血清抗HPVの幾何平均抗体価(GMT)を調べ、標準接種に対する非劣性試験を行った。各接種群GMT値の標準接種群GMT値に対する割合を調べ、95%信頼区間の下限値が0.5以上であれば非劣性が認められると定義した。
結果、標準接種群の3回接種後のGMT値は、HPV-16が5808.0、HPV-18が1729.9だった。それに対し、9ヵ月スケジュール群のGMT値はそれぞれ5368.5と1502.3、12ヵ月スケジュール群はそれぞれ5716.4と1581.5と、いずれも標準スケジュール群に対する非劣性が認められた。
一方で、24ヵ月スケジュール群については、3692.5と1335.7で、標準スケジュール群に対する非劣性は認められなかった。
このベトナムの青年期女児において、HPVワクチン投与は標準または選択スケジュールにおいても、免疫原性、忍容性ともに良好であった。標準接種法(0・2・6ヵ月)と比較して、2つのスケジュール法(0・3・9ヵ月、0・6・12ヵ月)は、抗体濃度について非劣性であった。

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