2011年5月20日金曜日

カルシウムサプリメント

骨の劣化予防のためにカルシウムサプリメントを摂取する女性では、心疾患リスクが高いことが、ニュージーランドのオークランド大学の研究でわかった。
カルシウムサプリメントの利用については専門家の間でも見解の一致をみておらず、今回の結果は、サプリメント推奨に大きな影響を及ぼす可能性が高い。
また、研究結果から、カルシウムサプリメント利用の再考が勧められる。食品によるカルシウム摂取には心疾患リスク増大は認められていないことから、カルシウムは食事から摂るよう推奨される。
同研究グループによる最近の分析では、ビタミンDを併用せずにカルシウムサプリメントを利用する女性は、心臓発作リスクが27~31%高いことがわかった。
今回の分析では、米国政府支援による大規模研究「女性の健康イニシアチブ(WHI)」参加女性のうち、登録前にカルシウムサプリメントを摂取していなかった1万6,718人を対象に検討。その結果、カルシウムサプリメントとビタミンD摂取群に割り付けられた女性には、心血管障害(特に心臓発作)リスクに13~22%の増大がみられた。対照群には変化がなかった。さらに約3万人の女性を対象とした未発表の13研究のデータを追加すると、カルシウムサプリメント摂取により心臓発作リスクが25~30%、脳卒中が15~20%増大した。
カルシウムが動脈硬化に関連していることを考えれば、この結果は生物学的には理にかなったものだと言える。しかし、今回の研究からは明確な結論を導くことはできない。骨が脆弱で、カルシウムを摂取する十分な理由のある女性は、恐れずに摂取すべきであろう。いずれにしろ、カルシウムサプリメントとビタミンDの併用による有害性については、さらに研究を重ねる必要がある。

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