2011年5月1日日曜日

子ども初の脳死判定

4月12日、交通事故による重症頭部外傷で関東甲信越地方の病院に入院していた10歳以上15歳未満の男子が法的に脳死と判定された。脳死判定と臓器提供を家族が承諾した。13日朝に臓器摘出手術が行われ、待機患者に移植された。
15歳未満を含め、本人の意思が不明でも拒否していない場合は家族の承諾で脳死での臓器提供ができるようにした改正臓器移植法が2010年7月に施行されて以降、15歳未満の脳死判定は初。書面や口頭で拒否の意思表示はなかったことを家族に確認したという。
移植ネットは家族のコメントを発表、「息子は将来は世の役に立つ仕事をしたいと言っていた。臓器提供があれば命をつなぐことができる人たちのために身体を役立てることが、彼の願いに沿うことだと考えた」などとしている。
2回の脳死判定は12日午前7時37分に終了し、死亡と宣告された。警察は午前8時49分から13分間、検視をした。
本人が18歳未満の場合、虐待を受けた疑いがないことを確かめる必要がある。移植ネットによると、今回は提供病院で委員会や対応マニュアルを作るなど態勢が整っていることや、院内の倫理委員会が臓器摘出を承認したことを確認した。
移植ネットによると、4月8日に主治医が家族に回復は困難との見通しを示した後、臓器提供の機会があることを知らせた。同日、脳死とされうる状態と判断した。
9日には両親らの希望を受け、臓器移植コーディネーターが家族に臓器提供に関し約2時間説明。11日に再度説明をした後、午前11時33分に家族から脳死判定と臓器摘出の承諾書を受け取った。
心臓は大阪大病院で10代の男性、両肺は東北大病院で50代の女性、肝臓は北海道大病院で20代の男性、膵臓と一方の腎臓は藤田保健衛生大病院で30代の女性、もう一方の腎臓は新潟大病院で40代の男性に移植された。小腸は医学的理由で断念された。
従来は意思表示カードなどの書面で提供意思を示した15歳以上でなければ脳死での臓器提供はできなかったが、09年7月、提供数増加を目的に提供条件を緩和した改正法が成立した。

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