2011年5月21日土曜日

スクリーンタイム

テレビ視聴やゲーム遊びなどのスクリーンタイムの長い子どもは、よく運動をする子どもに比べ眼の動脈が狭窄(狭小化)していることが、オーストラリアの研究で報告された。研究を実施したシドニー大学は、網膜血管を見れば、身体の他の部位、特に心臓で起きていることわかると述べるとともに、成人では網膜動脈の狭窄が高血圧および心疾患リスクの増大を示すシグナルとなると指摘している。
今回の研究では、シドニーに住む6歳児1,492人を対象に、運動をしている時間と座った姿勢で娯楽をする時間を追跡するとともに、眼底の脈管構造(vasculature)のデジタル写真を撮影して血管幅の平均値を算出。全体では、小児のスクリーンタイムは平均1.9時間、運動する時間は36分であったが、屋外で過ごす時間が1日平均30分未満の小児に比べ、1時間以上の小児は血管幅が広かった。スクリーンタイムを1時間半以上過ごす小児はさらに網膜血管に有害な影響のみられる比率が高いことがわかった。1時間のスクリーンタイムによって生じる狭窄は、収縮期(最大)血圧に10 mmHgの上昇をもたらすレベルに相当するものであった。
どのくらい運動をすれば十分なのかについては、今回の研究結果からは明確ではないが、1日1時間のスクリーンタイムを運動に置き換えれば、網膜血管への好ましくない影響を最小限に留めるのに有効と考えられるようだ。
今回の研究は、運動不足の影響について新しい方法で検討したもの。網膜血管に影響を及ぼしているのは、テレビやパソコンの使用ではなく、あくまで運動不足である点を親は認識する必要があろう。

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