2011年6月18日土曜日

キャラクターが味覚に影響

ペンシルベニア大学の研究で、シリアル食品の箱にイメージキャラクターが描かれているか否かで,小児の味への評価は左右されるということがわかった。
小児向け商品には,アニメや映画のキャラクターがしばしば用いられるが,これは小児に商品を印象付け,覚えさせるための一般的なマーケティング手法である。小児は銘柄など言語的なものより非言語的な要素の方が記憶しやすいため,キャラクターやロゴなどによって視覚に訴えることで,宣伝効果を高めることができる。
今回,シリアルの箱にキャラクターが用いられること,また商品名に健康的なイメージを持たせることで,小児のシリアルに対する味の評価がどう変化するか調べた。
まず,「Healthy Bits」または「Sugar Bits」の商品名で,外箱にキャラクターが描かれているものと描かれていないものの4種類のシリアル箱を用意。小児80例(4~6歳,平均年齢5.6歳)に対し,これらシリアル箱のうちの1種類を見せた後,実際には同一のシリアルを味見させ,味の好き嫌いを5段階で評価させた。
その結果,小児のほぼ全員がシリアルを好きだと回答したものの,キャラクターが描かれている箱を見た小児の方が,そうでない小児よりも高い評価を付ける傾向にあった。また,商品名がSugar Bitsではなく,Healthy Bitsのシリアル箱を見せた小児の方が,よりおいしいと感じていた。
商品名がSugar Bitsで,キャラクターが描かれていない箱を見せられた小児では,他の小児と比べ評価が低かった。一方,商品名がHealthy Bitsの場合は,キャラクターの有無により小児の評価が変化することはなかった。
今回の研究から,食品の包装にキャラクターを用いることが,小児の味に対する評価に影響を及ぼすことが示された。健康的な食事をイメージさせるようなメッセージでも小児の共感が得られるようだが,キャラクターによって受ける影響の方が上回ることがわかった。

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