2011年6月28日火曜日

アルツハイマー病の早期発見

アルツハイマー病の早期の警告的徴候(warning sign)を検出する脳スキャンが、年内にも米国で利用可能となる見込みである。ただし、アルツハイマー病患者にとっては、まだ有効な治療法が開発されていない現状では、この診断法が有用なものとなるには時期尚早かもしれない。
アルツハイマー病は米国では死因の6番目となっており、近年、その死亡数は増加傾向にある。脳に沈着し、老化(senility)現象を引き起こすβ(ベータ)アミロイドと呼ばれる脳内蛋白(たんぱく)の徴候を検出するPET(ポジトロンCT)スキャンの有効性を示す研究結果が米国核医学会年次集会で発表された。
PETスキャナーで検出される蛋白濃度は脳における情報処理が遅い人のほうが高く、高齢者ではより高度な記憶障害に関係する。ただし、脳スキャンにより老化の徴候がみられた患者を治療するための医師の選択肢は限られている。
より正確かつ早期に診断を受けられることは、記憶力が低下し始めたときに起きている問題を知りたい人にとって重要。残念ながら、有効な治療法が見つかるまで疾患の進行を止めるためにできることはない。有効な治療法が見つかれば、本当の価値が出る。
このスキャンは安価でなく米国では何千ドルもかかるが、約90%でアルツハイマー病を正確に診断できる。医師自身が行う場合は80%になる。このスキャンにより同疾患を早期段階で検出できる。

0 件のコメント:

コメントを投稿