2010年9月2日木曜日

ブロッコリー

米ミシガン大学薬学部製薬科の研究で、ブロッコリーに含まれる化合物が、がん幹細胞を抑制し、乳がんの予防または治療に役立つ可能性があることがわかった。
今回の研究では、乳がんのモデルマウスにブロッコリー抽出物から得られたさまざまな濃度のスルフォラファンを注入し、その後に腫瘍のがん幹細胞数を算定した。その結果、スルフォラファン投与後にがん幹細胞は大幅に減少したが、正常な細胞にはほとんど、または全く影響がなかった。
さらに、スルフォラファンを投与したマウスのがん細胞では、増殖能が低下していた。また、ヒト乳がんの培養細胞にも同様の実験を行った結果、スルフォラファンによって、がん幹細胞が減少することが示された。
今回の研究で使用されたスルフォラファンの濃度は、ブロッコリーまたはブロッコリーの芽を摂取することで得られる濃度よりも高かった。以前の研究から、ヒトはがんに影響を及ぼすうえで必要な濃度のスルフォラファンをブロッコリー抽出物から吸収することが可能だとされているが、副作用についてはわかっていない。ブロッコリー抽出物にはカプセルのサプリメントがあるが、含有濃度はさまざまであるという。
また、ヒトでの臨床試験はまだ行われていないため、現時点では患者の食生活にスルフォラファンのサプリメントを追加することは推奨されていない。
米国がん協会(ACS)によると、米国では2010年の1年間に19万4,280人が乳がんの診断を受け、4万610人が死亡すると予測されている。

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