2010年9月25日土曜日

カルシウム・サプリメント

サプリメントとしてのカルシウムの使用により、心筋梗塞のリスクが有意に増大することが、ニュージーランド・オークランド大学の研究でわかった。カルシウムは高齢者の骨格系の健康維持を目的としたサプリメントとして一般的に用いられている。ところが、カルシウム・サプリメントは心筋梗塞や心血管イベントのリスクを増大させる可能性があることが示唆された。
研究グループは、カルシウム・サプリメントと心血管イベントのリスク増大の関連の評価を目的に解析を行った。
1966年~2010年3月までのデータを用いて、100例以上、平均年齢40歳以上、試験期間1年以上のカルシウム・サプリメント(≧500mg/日)に関する試験を抽出した。
解析の結果、心筋梗塞の発症はカルシウム・サプリメント群が143例と、プラセボ群の111例に比べリスクが有意に31%増加していた。
また、別の試験解析でも、心筋梗塞を発症した296例のうち、166例がカルシウム・サプリメント群で、プラセボ群は130例であり、リスクはサプリメント群で有意に27%増加していた。
これらの研究により、カルシウム・サプリメントは心筋梗塞のリスクを有意に増大させることが明らかとなった。この大きいとは言えない心筋梗塞のリスク増大も、カルシウム・サプリメントの使用の拡大に伴って、膨大な疾病負担をもたらす可能性がある。骨粗鬆症の治療におけるカルシウム・サプリメントの役割の再評価が急務であろう。

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