2010年9月1日水曜日

熱中症対策

残暑厳しい折、熱中症患者がいまだ少なくない。体温調節機能が弱い高齢者や乳幼児の発症が目立つが、最近は、若い世代でも暑熱適応の低下がみられる。暑い所と空調の効いた涼しい部屋を行き来すると、急激な気温変化に対応するために自律神経が疲れてしまう。その結果、夏バテなどの体調不良を起こし、熱中症にかかりやすくなる。
熱中症は、高温多湿などの環境で、体が暑さに適応できないために起こる障害の総称。めまいや吐き気、だるさやけいれん、意識障害など様々な症状が出る。閉めきった暑い部屋や車中でも発症する可能性がある。
熱中症にかかりやすい、猛暑の時には、無理をせず、外出時間をずらしたり、短縮したりするなどの工夫が大切。また、炎天下の外出時には、自衛策を講じる。日差しを遮る帽子や日傘に加え、最近登場している暑さ対策グッズを活用する手もある。
水を含ませて首に巻き、首を冷やすスカーフが人気。熱中症にかかる危険性をブザーで知らせる「携帯型熱中症計」や体を冷やすスプレーもあり、親子連れからビジネスマンまで幅広い世代に売れているという。
乳幼児の外出に使うベビーカーにも注意が必要。気温35度の日には、路面の照り返しもあって、ベビーカーの座面の温度は39度にもなる。座面を路面から離して高くしたり背板に断熱シートを入れたり、暑さ対策をしたベビーカーもある。
こまめな水分補給や暑さ対策をしても、寝不足や下痢、二日酔いなど体調次第で熱中症は起こりうる。熱中症の症状が疑われる場合には、涼しい場所に避難させ、服を脱がせて体を冷やす。厚生労働省の「職場における熱中症予防対策」によると、まず、意識を確認し、「意識がない」「返事がおかしい」「全身が痛い」などがあれば、救急車をすぐに呼ぶ。意識がはっきりしても、水分を自力で取れないなら、すぐ医療機関へ。飲めるなら、水分と塩分を取らせて、回復しなければ医療機関に搬送する。
「応答が鈍い」「言動がおかしい」など中枢機能の異常は命にかかわる緊急事態。すぐ救急車を呼び、体に水をかけてあおぎ、首やわきの下、脚の付け根に氷などを置いて急いで体温を下げる。おかしいと思ったらすぐ対処することが大切。

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