2010年9月22日水曜日

魚好きな子

魚をよく食べる子供や、朝食をしっかり食べる子供ほど抑うつ的な気分になりにくいことが、長崎大病院精神科神経科の調査で分かった。
調査は、長崎県の長崎市、五島市、西海市の小学4年生~中学3年生約5000人を対象に4年前から実施。生活習慣とこころの状態をアンケート形式で尋ね、詳しい分析を進めている。
抑うつ気分は、子供自身が現在の心身の状態を3段階で評価した。元気がない、意欲がわかないなどの気分の落ち込みや、眠れない、泣きたい気分があるなど、身体的症状があるかどうかを尋ねた。
その結果、魚を食べるのが好きな子供(3246人)では、抑うつ傾向がある子供は約7%にとどまったが、嫌いな子供(1123人)では、抑うつ傾向が約12%に見られた。
野菜の好き嫌いでも同様の比較をしたが、好きな子供の抑うつ傾向は約8%、嫌いな子供は約10%で、魚の効果がより顕著だった。
青魚の魚油に多く含まれるEPAやDHAなどオメガ3系多価不飽和脂肪酸は、近年、うつ病などの気分障害に効くという研究が国際的に多く発表され、注目を集めている。うつ病の患者の血液を調べると、これらの脂肪酸の濃度が低下していたという報告もある。
今回の大規模調査でも、魚油に気分を安定させる高い効果があることが分かった。魚油は安全で副作用の心配がないため、子供や妊婦の気分障害の治療や予防に活用できるかもしれない。
しかし近年、日本では国民1人あたりの魚の摂取量は減少を続けている。特に若い世代の魚離れが顕著で、20歳未満では過去10年で20%以上も減少している。
調査では、他にも生活習慣と抑うつの関係を比較した。抑うつ傾向がある割合は全体平均で約9%だったが、朝食を週3日未満しか食べない群(86人)では約22%、インターネットを毎日2時間以上する群(82人)では約17%、携帯電話で毎日2時間以上メールをする群(156人)では約14%と、抑うつ傾向の割合が高かった。

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