2010年9月15日水曜日

規則正しい生活と安眠

ハイファ大学の研究で、退職を迎えた高齢者の不眠改善と安眠促進には、規則正しい日常生活を送ることが重要だということがわかった。
規則正しい生活とは、テレビ視聴や読書といった日常的な活動の時間や頻度、長さが安定していることである。これは、掃除、体操、社会活動など、毎週の決まった予定についても同様に当てはめることができる。
今回の研究の対象は、ロシア語を話す高齢者96人(58~89歳、平均年齢75歳、女性72%)で、82%は1人住まい、75%は普通または良好な健康状態であった。また睡眠薬の服用は週1回が5%、週1~2回が7%、週3回以上が23%だった。
日常生活における規則性は、熟練した面接調査者が評価し、96人中、89人のデータが最終分析の対象となった。
解析の結果、平均総睡眠時間は6時間、平均睡眠効率は78%、平均睡眠潜時(入眠までにかかる時間)は37.5分であった。日常生活が安定し、規則正しいライフスタイルの高齢者では、睡眠効率が高く、睡眠潜時も短かった。一方、ライフスタイルが不規則な場合には、睡眠の質が低下し、併存症も多い傾向にあった。
また、買物、公共交通機関の利用、医療受診といった動機のある活動よりも、入浴、身支度、食事といった基本的活動のほうが、睡眠の質との関連性が強かった。
今回の研究から、規則正しいライフスタイルが睡眠の質を維持するうえで予防因子となることがわかった。今後の縦断的研究によって、規則正しいライフスタイルと睡眠パターンの質との因果関係が解明されることが望まれる。

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