2010年9月20日月曜日

食べるワクチン

アルツハイマー病の原因とされるたんぱく質を含むピーマンを食べると、この病気の予防につながる効果があることが、東京大学のマウスの実験でわかった。「食べるワクチン」として臨床応用が期待されている。
アルツハイマー病の患者の脳には、アミロイド・ベータというたんぱく質が沈着・凝集し、老人斑ができている。これが認知機能の低下などを起こすと考えられている。

免疫の働きを利用し、素早く大量の抗体を作り出してこのたんぱく質を除去させるため、米国でアミロイド・ベータをワクチンとして注射する臨床試験が行われたことがあるが、過剰な免疫反応による副作用が問題となり、中止になった。
東京大学では、注射でなく食べて腸から吸収すると、副作用が起こりにくいことに着目。アミロイド・ベータの遺伝子を組み込んだピーマンを作り、その青葉を青汁にして、アルツハイマー病を発症するように遺伝子を操作したマウスに与えた。何も与えなかったマウスは発症して1年ほどで死んだが、青汁を与えたマウスは16か月以上生存、脳に老人斑は見られなかった。副作用も少なかったという。

0 件のコメント:

コメントを投稿