2010年7月4日日曜日

筋萎縮性側索硬化症の原因遺伝子

運動神経が侵され全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新たな原因遺伝子を広島大原爆放射線医科学研究所が突き止めた。この遺伝子の変異によって、炎症などに関与する物質が過剰に活性化し運動神経に影響を与えるとみられる。研究では、両親ともに保因者の可能性が高い家族性のALS患者の遺伝子を調べ、「OPTN」という遺伝子に変異を見つけた。OPTNは「正常眼圧緑内障」の原因遺伝子として知られていたが、ALSでは緑内障とは異なる場所に変異があった。家族性ではない孤発性のALS患者でも、OPTN遺伝子に変異がある患者が見つかった。これまで知られている別の原因遺伝子の変異がある患者でも、OPTN遺伝子が作るタンパク質に異常があり、これがALSの病態に広く関与すると考えられるという。日本では1年間にALSに新たにかかる人は10万人当たり約1人で、患者は約8300人、家族性は10%程度とされる。

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