2010年7月3日土曜日

自閉症治療

自閉症患者が「オキシトシン」というホルモンを服用すると症状が改善したとの臨床結果を、金沢大などの研究グループが発表した。3歳から自閉症とされてきた20代男性で、会話ができず、人と交流ができずにいた。両親が2008年、スイスからオキシトシンの点鼻薬を輸入し服用すると、男性は診察で担当医の目を見て笑い「はい」「いいえ」と答えるようになり、担当医が驚いたという。男性は10カ月以上服用を続けた。オキシトシンは視床下部などで作られるホルモンで、男性は血中のオキシトシン濃度が低かったことが判明。これまでアスペルガー症候群などに効果があった例は海外で報告があるが、重度の知能障害がある自閉症患者が長期間服用し、改善が確認されたのは初めて。オキシトシンは母乳を分泌させたり、出産で子宮を収縮させる働きがあるという。信頼感を強める機能があり、人が社会で活動するために必要なホルモンと指摘する研究者もいる。自閉症の治療薬としては認められておらず、男性の点鼻薬は母乳分泌用だった。

0 件のコメント:

コメントを投稿