2010年7月1日木曜日

若年性パーキンソン病

40歳までに発症する家族性の「若年性パーキンソン病」は、遺伝子の変異によって細胞内に「異常なミトコンドリア」がたまるのが原因だとの研究結果を、東京都臨床医学総合研究所の研究チームが発表した。ミトコンドリアは、細胞内でエネルギーを生産する小器官。高齢者のパーキンソン病も同様の仕組みで発症すると考えられている。異常なミトコンドリアの除去を促す薬が開発できれば、治療につながるかもしれない。研究チームは、若年性パーキンソン病患者で変異があることが分かっている2種類の遺伝子「Parkin」「PINK1」の機能を研究。両方の遺伝子が正常な場合は、異常なミトコンドリアを「PINK1」が選別、「Parkin」が除去しやすい形にすることで、協調して排除していることを突き止めた。遺伝子に変異があると異常ミトコンドリアがたまってエネルギーが生産できなくなる上、有害な活性酸素も出て、神経細胞が影響を受けパーキンソン病につながるのではないかという。パーキンソン病は明確な原因は不明だが、神経細胞が失われ、手足の震えや運動障害が起きる。日本の患者は約15万人と推定され、若年性は10%程度とみられる。

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