2010年7月6日火曜日

食事とうつ症状

野菜や大豆食品、果物、海藻などをよく取る「健康的な日本食パターン」の人は、うつ症状の頻度が半分以下だった。こうした傾向を国立国際医療研究センターの研究員が見つけ、論文を発表した。食事のパターンに分けて解析した研究は欧州に2例あるが、日本では初めてという。自殺者が1998年以来年間3万人を超え、うつ症状も増えているが、食事も視野に入れ、日本食の価値を見直す時かもしれない。研究グループは2006年、福岡県の勤労者(21~67歳)521人に、1カ月間に食べたものを質問票で尋ね、それを基に食事のパターンを調べた。同時に、世界的に広く使われている質問票でうつ症状を聞いた。統計手法で「健康日本食」「肉などが多い動物性食」「パンなどの洋風朝食」の3種類について、各人の食事パターンを強、中、弱に3分類、うつ症状との関連を見た。健康日本食パターンの傾向が強い人は、その傾向が弱い人に比べ、うつ症状の頻度が44%と低かった。動物性食と洋風朝食のパターンでは、うつ症状との明白な関連は見られなかった。今回の調査は、特定の栄養素でなく、食事のパターンで解析したことに意味がある。うつ症状になった人がきちんと食べていないこともあり得るので、因果関係までは言えないが、うつの予防に日本食が役立つ可能性はあるようだ。国立国際医療研究センターのグループが今回の研究で「健康的な日本食パターン」とした主な食品は、ニンジン、カボチャ、キノコ、緑の葉野菜、キャベツ、白菜、大根、カブ、その他根菜、豆腐・厚揚げ、納豆、海藻、芋、果物、緑茶、小魚。

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