2010年7月21日水曜日

男・女の脂肪

男性と女性の脂肪組織は遺伝的に異なることがマウスを用いた新しい研究で明らかにされた。これによって、男性は腹部に脂肪が蓄積しやすく、女性は腰まわりに脂肪がつきやすい理由を説明できる可能性があるという。米テキサス大学サウスウエスタン・メディカルセンター(UTSMC)の研究グループは、この疑問を解明するために、ヒトに類似したマウスの脂肪分布パターンに着目。雄雌のマウスのほか、女性の閉経を再現するため卵巣を摘出した雌マウスの腹部および臀部の脂肪細胞から遺伝子を採取し、比較した結果、約4万個の遺伝子のうち雌雄に共通するのはわずか138個であることが判明した。男性は消化管の周辺に余分な脂肪がつきやすいのに対して、閉経前の女性は臀部、腰部および大腿部に脂肪がつきやすい。閉経後の女性では、卵巣ホルモンの値が低下するにしたがって、ウエスト周囲に脂肪がつくようになってくるという。遺伝子の差とは別に、脂肪組織にも基本的な違いがあると思われ、高脂肪食を12週間与えた雄マウスは同じ食餌を与えた雌マウスよりも体重増加が大きかった。また、雄の脂肪組織は雌よりも炎症を起こしやすい傾向があるという。一方、卵巣を摘出した雌マウスには、体重増加および雄マウスに似た炎症パターンがみられるようになった。 このような所見から、女性の脂肪が蓄積する部位については卵巣ホルモンが重要な役割を担っていることが示されると、研究チームは述べている。

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